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スカイプを活用した学校交流
神埼市総務企画部企画課企画係


神埼市は、平成18年3月20日に神埼町・千代田町・脊振村が合併して誕生し、佐賀県の東部に位置しています。面積は約125平方キロメートル、人口が約3万2,000人であり、地形は脊振山を最高峰とする北部の山間地域と、筑後川水系である城原川、田手川が潤す肥沃な平野からなる南部の穀倉地帯に分別され、縦に細長い形をしています。
ボークール市は、フランス東部にあるフランシュ・コンテ地方、ベルフォール県にあります。面積は約5平方キロメートル、人口が約5,300人であり、スイスやドイツまで距離が近く、郊外都市として経済・観光の拠点となっています。
ボークール市とは昭和11年11月19日ボークール市出身の飛行家アンドレ・ジャピー氏の脊振山中での遭難と脊振村民による同氏の救助を契機として、平成8年に友好姉妹都市として提携し、両市の相互理解と友好を深めるため、様々な分野で交流を続けています。
ボークール市との交流の1つに、インターネットを利用したテレビ通話である「スカイプ交流」があります。スカイプ交流は、平成30年度から神埼市の脊振小学校(全校生徒64人)の6年生とボークール市のサントルA小学校の最高学年(11歳)との間で始まり、自己紹介や修学旅行の話題などを発表し合い、親睦を深めています。
令和元年度の両小学校によるスカイプ交流は、フランスとの時差を考慮し、午後3時すぎから通信を始めました。脊振小学校の児童(11人)は、フランス語で名前と自分ができることを発表した後に、能や書道、切り絵の作品を見せたり、剣道や野球、バレーボールの技を実演したりして、最後に木琴などを使って校歌を全員で合奏しました。
サントルA小学校の児童からは、修学旅行の思い出や市に鳥居が建ったことなどの話がありました。互いに「有名なスポーツは?」「日本の修学旅行はどこに行くの?」など質問が尽きず、約25分の交流を楽しんでいました。

また、令和元年度からは、神埼市の脊振中学校(全校生徒42人)とボークール市のサン・テグジュペリ中学校との間でもスカイプ交流を始めています。脊振中学校とサン・テグジュペリ中学校とのスカイプ交流は、英語によるコミュニケーション能力の向上を目的として、すべて英語で交流しています。
令和元年度の中学校によるスカイプ交流は、自己紹介のほか、中学生の日常的な食事やクラスの1日の様子などを互いに紹介し合いました。生徒の感想としましては、「英語を勉強していたので、自分の言葉で伝えられて良かった。」「外国の人と話すのは少し緊張したけど、楽しかった。」「制服や放課後の過ごし方など、日本の学校生活との違いを知ることができた。」などがありました。また、教師の感想としては、「脊振中学校は生徒数が少なく、交流をとおして学校以外の社会と関わりを持てることは大変良いことだと感じる。」「普段の英語学習においても、積極的に授業へ参加する様子が見られるなど、生徒たちに変化が見られた。」など大変好評でした。
神埼市とボークール市の交流は、スカイプ交流のほかに電子メールによるビデオメッセージ交流も行っていて、詩や俳句の交換などを行っています。
結びに、神埼市とボークール市は、平成26年度から2年ごとにお互いの市を訪問し合う相互交流を実施しています。令和2年度は、10月にボークール市代表団が神埼市を訪問し、市内の小学校や中学校を訪れる予定でしたが、新型コロナウイルス感染症の拡大により来年度へ延期をしました。市内の小学校や中学校は、ボークール市代表団の訪問を心待ちにしていたため、大変残念な思いです。来年度のボークール市代表団の訪問へ向けてさらに親睦を深めるため、コロナ禍のなかでも取り組めるスカイプ交流やビデオメッセージ交流を続けていきます。