グローカル外交ネット

令和2年9月17日

高山市海外戦略課

 令和2年、高山市とデンバー市は姉妹都市提携を締結してから60周年を迎えました。この60年間、延べ2,100人以上に及ぶ両市の市民たちがそれぞれの都市を相互に訪問し、これまで様々な分野を通して交流を行ってきました。

1 姉妹都市提携の締結

 昭和35年(1960年)4月、万国郵便会議に出席した米国コロラド州デンバー市代表者から「日本の都市と姉妹都市になりたいが、適当な都市を紹介してほしい」という依頼があり、名古屋郵政局から高山市に勧めがありました。その紹介をきっかけに、デンバー市の占める位置と性格が高山市に似ていることから同年7月29日、姉妹都市提携を締結することとなりました。現在1,700以上の海外姉妹都市縁組がある中、岐阜県下では初めて、全国でも30番目の海外姉妹都市縁組でした。

2 デンバー市について

 標高1マイル(約1600メートル)に位置するコロラド州の州都デンバー市は、マイルハイシテイー(Mile High City)と呼ばれています。デンバー市は米国でも近代的な都市の一つですが、同時に豊かな西部の文化遺産を持つ歴史的な都市でもあります。また、デンバー市はアメリカ・ロッキー山脈への入り口であり、美しい自然を楽しむこともできます。

3 これまでの交流について

(写真1)デンバー市 マイケルBハンコック市長と高山市長 國島芳明(くにしまみちひろ)市長 デンバー市 マイケルBハンコック市長と
高山市長 國島芳明(くにしまみちひろ)市長

 姉妹都市提携以来、デンバー市とは主に人的交流を中心に活発な交流を行ってきました。高山市とデンバー市の多くの使節団がそれぞれお互いを訪問しており、平成15年(2003年)3月には姉妹都市交流を記念してデンバー市から高山市内の友好の丘にモニュメントが贈られました。両市の若者による交流を通して永続する友好関係を促進するのと同時に、若者の異文化理解と国際感覚の醸成を目指す目的で、高校生相互派遣事業も行われています。
 また、異文化と接することにより、国際理解の啓発を図り、幅広い知識を持った国際人及び次代を担う人材を育成するために市民を海外に派遣する市民海外派遣事業の派遣先としても、これまで多くの市民を派遣しました。現在では、教育や音楽、文化、産業など様々な分野で両市民による活発な交流を行っています。

4 「高山祭屋台」模型の寄贈について

(写真2)令和元年10月屋台模型修繕渡航 令和元年10月屋台模型修繕渡航

 昭和39年(1964年)8月に高山市からデンバー市へ、実物の約3分の2の大きさの「高山祭屋台」模型を寄贈しました。この屋台模型は、デンバー市の友好交流団体の管理の下、多くの方々に親しまれてきましたが、経年劣化による傷みも多くなってきたことから、修繕を行いました。60周年記念事業では、デンバー市内で開催されるサクラフェスティバルにて屋台模型の曳揃えを行うことを計画していたため、令和元年10月に高山工業高等学校の教師及び生徒がデンバー市へ渡航し、パーツの交換や劣化部分の修繕を行い、屋台模型は美しく生まれ変わりました。

5 60周年記念オンライン式典について

(写真3)令和2年7月30日オンライン式典の様子 令和2年7月30日オンライン式典の様子

 姉妹都市提携60周年記念事業として、当初は高山市公式訪問団をデンバー市に派遣し、デンバー市内で開催されるサクラフェスティバルへの参加や記念式典の実施を計画していました。しかし、新型コロナウイルスの感染拡大により渡航が叶わなかったため、高山市とデンバー市との60年に亘る友情と協力を記念するために、新しい交流の形を模索してきました。そして、新しい生活様式ならぬ「新しい交流様式」として令和2年7月30日、オンラインによる記念式典を開催しました。式典では、両市の関係者がオンライン上で一堂に集い、両市の直面する問題解決に協働で取り組むことや世代を超えた一体感の醸成、経済交流の推進が盛り込まれた共同宣言を読み上げ、今後の交流継続を改めて確認しました。

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