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滋賀県・ミシガン州姉妹県州交流50年の取組
滋賀県・在デトロイト総領事館
1 はじめに
1968年,「湖」を縁に結ばれた滋賀県とミシガン州の姉妹県州関係は,2018年に50周年を迎えました。これまでの50年の間に人物交流,教育交流,経済交流,湖保全協力等々,多岐にわたって県州交流関係が構築されてきました。本稿では,両県州の主な取組とそれに関わる滋賀県およびデトロイト総領事館の協力の取組を紹介させていただきます。
2 滋賀県・ミシガン州姉妹県州による交流事業
(1)ミシガン州立大学連合日本センター
姉妹県州提携20年を迎えた1989年,国際交流事業の拠点として,ミシガン州立大学連合日本センター(JCMU:Japan Center for Michigan Universities)が滋賀県彦根市に設立されました。JCMUは,ミシガン州立大学15校を中心とする米国の学生が寮で共同生活をしながら,ホームステイ体験などを通し,長期的に語学や文化など,「日本」が学べる場となっています。また,日本人学生向けにも,寮で米国学生と共同生活をしながら英語が学べる「国内留学プログラム」を提供するなど,日米双方にとって学びのあるプログラムになるよう工夫が凝らされています。これまでに,8,000名を超える学生がJCMUのプログラムに参加され,日本国内や米国の国際的な分野で幅広く活躍されています。
(2)友好親善使節団の相互派遣
1976年に米国独立200年を記念して,総勢165名による大使節団が滋賀県からミシガン州を訪問しました。これをきっかけに,両県州間での友好親善使節団の相互派遣が始まりました。
2017年のミシガン州友好親善使節団派遣時には,姉妹県州協定50周年を祝う記念式典が滋賀県で開催され,リック・スナイダー・ミシガン州知事(当時)をはじめ,多くの関係者が滋賀県を訪問されました。その際,滋賀県内大型ショッピングモールにて,両知事と滋賀県書道協会理事長による席上揮毫が行われ,大作「湖」が共作されました。翌年,この「湖」は海を渡り,ミシガン州アナーバー公立図書館にて開催された「Syodo:滋賀県書道展」にて姉妹県州提携50周年記念作品として展示されました。
2018年の滋賀県友好親善使節団派遣時には,ミシガン州で50周年を祝うべく,三日月大造滋賀県知事を含む使節団約90名が渡米。デトロイトにて,県州交流を支えてくださっている多くの方々とともに,お互いの友好の絆を深めました。併せて,滋賀県とミシガン州の交流が,世界のモデルとしてより多くの方々を力づけるものとなることを祈念し,共同宣言が発出されました。
2019年8月には,ミシガン州友好親善使節団が滋賀県を訪問。夏祭りでの神輿奉納式への参加やほうじ茶づくり,ホームステイなどを通し,滋賀の人々との友情を育まれました。派遣に先立ち,6月には,在デトロイト総領事館とミシガン滋賀姉妹県州委員会の共催によりオリエンテーション・壮行会を開催し,第21代友好親善使節団員らを激励しました。
3 県州交流と14の姉妹都市・友好都市交流
滋賀県とミシガン州の交流は,県と州の関係だけにとどまらず,両都市間でも13の姉妹都市関係と1つの友好都市関係があります。各姉妹都市間においても市民からなる使節団の相互派遣や中学生相互派遣事業,絵画交流事業など幅広い分野で草の根交流が続けられています。
今年2019年には,大津市とランシング市,彦根市とアナーバー市が姉妹都市提携50周年を迎えたことから,日本と米国それぞれで50周年を祝いました。ランシング市ショアー市長夫妻,アナーバー市テイラー市長夫妻も,8月に派遣されたミシガン州友好親善使節団の一員として,滋賀県を訪問されました。また,中川総領事夫妻は,東近江市と姉妹都市提携40周年を迎えたマーケット市を訪問し,市長や姉妹都市交流委員会を表敬訪問しました。
4 終わりに
両県州の交流は,次の50年に向けて,これまでの交流分野に加え,新たに滋賀県の特産品である「近江の茶」を通した経済交流,「湖保全」を共通目的とした水環境交流を推し進めています。
1989年から滋賀県職員がミシガン州政府に駐在する制度がはじまり,その後,在デトロイト総領事館が1993年に開設されて以来,長年に渡り両県州の交流に協力しています。今後も滋賀県とミシガン州および日本と米国の友情がますます発展していくことを祈念しています。
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滋賀県・ミシガン州両知事による揮毫
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ランシング市で実施した大津市・ランシング市50周年式典
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彦根市で実施した彦根市・アナーバー市50周年式典