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令和元年8月28日

長崎市文化観光部 MICE推進室

 長崎市では,交流人口を拡大するための都市機能の強化の一環として,新たなMICEの拠点となる「出島メッセ長崎」をJR長崎駅に隣接して整備中で,2021年11月に開業する予定です。

 この施設は,約2,700平方メートルの平土間型のコンベンションホール,約3,800平方メートルのイベント・展示ホール,大小24室の会議室を備え,インターナショナルブランドホテルのヒルトン長崎も併設されることから,国内外のMICE主催者や参加者の多様なニーズに対応することができます。

 施設の整備・運営は,PFI法に基づき,民間事業者が自らの提案を基に設計・建設を行い,市に所有権を移転した後,20年間の独立採算により運営・維持管理を行う手法を採用し,民間活力とノウハウを積極的に取り入れることで,事業全体の効率化とコスト縮減を目指しています。

 「出島メッセ長崎」という名前は,先月,全国1,684件の応募の中から選ばれました。市民にとって身近な存在である「出島」は,鎖国時代,海外へ開かれた我が国唯一の窓口として,貿易だけでなく,新たな学問や外国の文化を吸収する場でもありました。日本の近代化に大きな役割を果たした「出島」の名を冠することで,今後,この施設が国内外から多くの来訪者を受け入れ,新たなビジネスや文化を生み出していく交流の拠点となるようにという期待が込められています。

 長崎市は,造船,水産,観光を基幹産業として,古くから海外との交易を背景に,独自の歴史・文化を持ち,「明治日本の産業革命遺産」と「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の二つの世界遺産があります。
 また,平和都市として,長崎を最後の被爆地にするというメッセージを発信し続け,核兵器廃絶と世界恒久平和の実現に向けた取組みを進めているほか,放射線研究や感染症研究などの医療分野では,国際的にも大きく貢献しています。

 このような産業,歴史・文化,平和,医学などの特徴や強みを活かしたMICE誘致を行う中で,地元経済界や大学など60団体が「長崎MICE誘致推進協議会」を組織し「1団体1コンベンション誘致」を目標に,官民一体となって活動しています。
 また,MICE開催の経済効果を高めるため,110企業・団体が加盟する「長崎MICE事業者ネットワーク」では,長崎国際観光コンベンション協会を中心に,主催者の多様なニーズに対応し受注につなげるよう,業界全体のスキルアップと受注促進の仕組みづくりを行っています。
 今後は,ユニークベニューの活用促進や,プレ・ポストプログラムの充実,おもてなし機運の醸成など,まち全体でMICEを受け入れ,参加者の滞在や周遊を促す「まちMICE」の取組みも進め,市域全体に波及効果を広げていきたいと考えています。

 2022年度には,九州新幹線西九州ルートが開業する予定です。日本の西端にある長崎市ですが,新幹線のネットワークがつながりアクセスが改善することで,ビジネスチャンスが広がり,「出島メッセ長崎」の可能性も高まることが期待されます。
 2021年11月,「世界とつながる新たな出島」の始動に向けて,今,オール長崎での取組みが加速しています。

  • (写真1)出島メッセ長崎 鳥観図
    出島メッセ長崎 鳥観図
  • (写真2)コンベンションホール 国際会議イメージ
    コンベンションホール 国際会議イメージ
  • (写真3)イベント・展示ホール 展示会イメージ
    イベント・展示ホール 展示会イメージ
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