グローカル外交ネット

令和5年6月16日

在トリニダード・トバゴ日本国特命全権大使   松原 裕

 3月17日、鹿児島県鹿児島市及び大崎町を訪れました。東京オリンピックでは、当館管轄国9か国のうち6か国について、鹿児島県の町がホストタウンになっています。今回の訪問では、今後のホストタウン交流等について、各自治体と意見交換をすることが出来ました。

1 鹿児島県・塩田知事への表敬訪問

 塩田知事への表敬訪問では、カリブ諸国のホストタウン(東京オリパラ)として交流の継続発展を呼びかけたところ、同県からは、2025年横浜・世界陸上でのトレーニング地として「ジャパンアスリート・トレーニングセンター大隅」の活用を検討したいとの回答がありました。また、JETプログラム(語学指導等を行う外国青年招致事業)活用によるカリブ諸国からの英語教師招致について働きかけたところ、同県からは、JETプログラム活用による英語教育レベルの向上と共に、カリブ地域との交流に取り組みたいとの回答があり、今後のJETプログラム(少数招致国)枠の活用に向けて前向きな動きを確認することができました。

左より塩田知事、松原大使

2 鹿児島県・大崎町のゴミ処理施設視察

 鹿児島県・大崎町では、同町住民環境課の松元課長からの説明も受け、同町が誇るゴミ処理施設を視察することが出来ました。大崎町は2006年から2020年の間に、自治体別一般廃棄物リサイクル率日本一を14回も達成しています。本年6月末には、トリニダード・トバゴ政府・公益事業省関係者4名を大崎町に招聘することが決定しています。同町のリサイクルの取り組みを参考に、トリニダード・トバゴの廃棄物処理に是非活用してもらいたいと願っています。

ゴミ処理施設を視察する松原大使

3 東・大崎町長との協議

 東・大崎町長の都合上、鹿児島県での面会が実現できず、翌日(18日)に東京での面会となりましたが、同町長と協議を行うことが出来ました。ホストタウン(東京オリパラ)としての交流継続発展の観点からJETプログラム(語学指導等を行う外国青年招致事業)活用を検討してもらいたい旨働きかけたところ、町長からは、JETプログラムは世界との交流の懸け橋、英語教育の向上に資するものであり、県庁と相談しながらJETプログラムの活用に向けた要望調査等を進めたいとの回答がありました。また、リサイクルの分野で世界の未来をつくる町として貢献していきたいとのことで、今後の協働の方向性について確認することが出来ました。

左より松原大使、東町長(全国町村会館(東京千代田区)にて)

4 今後の交流について

 今回の鹿児島県訪問は、同県関係者の方々のご協力とご支援のお陰で、充実した表敬、視察等の機会となりました。同県関係者からは、カリブ諸国にあるトリニダード・トバゴに対する愛着を感じることが出来て嬉しく思いました。
 トリニダード・トバゴで有名なカーニバルやスチールパンという楽器を通じて両国間の架け橋になって下さっている日本人の方々がいます。また、トリニダード・トバゴでも、柔道や剣道といった武術、盆栽等の日本文化を当地に広めてくれているトリニダード・トバゴ人の方々が素晴らしい活動をされています。今回ご紹介したホストタウン交流も、両国間の貴重な交流の絆です。来年の日・カリブ交流年に向けて、各分野において更なる交流が行われて、日本とカリブ諸国との親睦がより深まっていくことを願っています。

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