グローカル外交ネット

令和5年1月20日

在アゼルバイジャン日本国大使館

1 石川県志賀町とバクー市ハタイ地区の友好都市関係

 アゼルバイジャンの首都バクー市ハタイ地区には日本庭園があり、同地区ではこれまで多くの日本文化イベントが開催され、日本との地方連携が模索されてきました。
 2018年12月、小泉志賀町長のアゼルバイジャン訪問に際し、志賀町とハタイ地区は、「友好都市」協定に向けた今後の協力に関して覚書を結びました。その後、志賀町ではアゼルバイジャン特産のザクロを使ったケーキの製作・販売や、小中学校生とアゼルバイジャン代表選手のオンライン交流等の活動が行われてきました。2019年7月にはアゼルバイジャン代表のレスリングチームが志賀町を訪問し、日本代表との合宿を実施したほか、志賀小学校訪問やレスリング教室の開催などを通して志賀町との交流を深めるとともに、座禅体験や地元祭礼参加など日本の文化にも触れました。残念ながら、新型コロナウイルス感染症の拡大により、オリンピック選手団による大会直前の志賀町事前合宿は叶いませんでしたが、パラリンピック水泳選手団の志賀町合宿が実現し、友好を深めました。

2 志賀町町長一行のアゼルバイジャン訪問

(写真1)小泉町長とグリエフ・ハタイ地区長の会談の様子 小泉町長とグリエフ・ハタイ地区長の会談
(写真2)デニズモールで和太鼓演奏を披露する志賀天友太鼓グループの皆さんの様子 志賀天友太鼓グループによる
デニズモールでの和太鼓演奏

 2022年11月24日から28日にかけて、小泉町長及び南町議会議長率いる志賀町一行がアゼルバイジャンを訪問しました。2022年は日本アゼルバイジャン外交関係樹立30周年の節目の年であり、この機会を捉えて、国際交流の促進を目的として、志賀町一行は多くの会談や視察等を行いました。
 例えば、ラヒモフ・アゼルバイジャン・パラリンピック委員長(24日)、グリエフ・ハタイ地区長(24日)、ロータリークラブ(26日)及びフセインザーデ・アゼルバイジャン・オリンピック委員会副委員長(28日)と会談を行ったほか、教育施設「バクー・ヨーロッパ・リセ」(25日)及び福祉施設「DOST Inclusive Center」(25日)の視察を行いました。先方のパラリンピック委員長、ハタイ地区長及びオリンピック委員会副委員長とは、約4年ぶりの再会でもあり、旧交を温めました。ハタイ地区に位置するバクー・ヨーロッパ・リセでは3Dプリンター等を用いたICT教育等に関して、DOST Inclusive Centerでは障がい者の社会統合に向けた職能訓練等に関して意見交換が行われました。
 また、今回は志賀町一行に、太鼓グループ「志賀天友太鼓」が同行し、バクー・ヨーロッパ・リセ(25日)、DOST Inclusive Center(25日)、ショッピングセンター「デニズモール」(26日)及びランドマークホテル(27日)で、志賀町の無形文化遺産に登録されている和太鼓演奏を行いました。ほら貝や鐘の音も交えた迫力のある和太鼓演奏は、多くの来場者を魅了し、会場は大きな拍手に包まれました。さらに、バクー・ヨーロッパ・リセでは、志賀町一行に対して、民族衣装をまとった同校生徒によるアゼルバイジャンの踊りが披露されました。DOST Inclusive Centerでは、同施設で職能訓練を行う障がいを抱えたアゼルバイジャン人アーティストとのコラボ演奏も行われました。デニズモールでは、和太鼓演奏の前後に常設ブースにて志賀町の観光及び食の魅力が発信されました。最後にランドマークホテルでは、和太鼓演奏後に寿司・日本酒等を交えてアゼルバイジャンの観光業界関係者等との意見交換が行われ、志賀町の文化的魅力を発信する絶好の機会となりました。

(写真3)志賀天友太鼓グループによるTV出演の様子 志賀天友太鼓グループによるTV出演

3 今後の展望

 志賀町ではホストタウン交流事業のフォローアップとして、相互理解及び文化交流の促進を目的とした学生の相互派遣及びホームステイ事業が計画されています。2022年11月の志賀町一行のアゼルバイジャン訪問では、同町へのホームステイ事業への参加を希望する学生との意見交換の機会も設けました。同事業の実施を通じて、志賀町とハタイ地区、ひいてはアゼルバイジャンとの友好関係のさらなる強化が期待されます。
 在アゼルバイジャン日本国大使館は今後のさらなる地方連携強化に引き続き取り組んでまいります。

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