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令和4年12月16日

千葉市総務局市長公室国際交流課

1 はじめに

 パラグアイというと、皆さんはどのようなイメージをお持ちでしょうか。千葉市の姉妹都市であるアスンシオン市を首都とするパラグアイは、南米の他の国々と同様、とてもサッカーが盛んな国です。過去には、国民的英雄であるチラベルトや、ロケ・サンタクルスといった名選手を輩出し、FIFAワールドカップにおいても、2010年南アフリカ大会でPK戦の末日本代表を破り、ベスト8に進出した強豪国です。

2 今回の交流のきっかけ

 千葉市は、1970年にパラグアイ共和国・アスンシオン市と姉妹都市提携を行いました。そして、50周年を迎えた2019年4月に、両市はスポーツ・文化の面でさらなる交流の発展に努めることを確認しました。
 そこで、駐日パラグアイ大使館やジェフユナイテッド市原・千葉、千葉市サッカー協会などのサポートを得て、両市が青少年を相互に招聘し、サッカーを通じた交流事業を行うこととなりました。
 2020年度・2021年度は新型コロナウイルス感染症の影響で受入は中止となりましたが、2021年度には両市の市民がサッカーのパスを交換する動画を制作しました。

 千葉市・アスンシオン市姉妹都市提携50周年記念
 サッカーのパス動画で繋ぐ市民の輪 【YouTubeリンク】

 

3 今回の交流

 2022年10月下旬、アスンシオン市の青少年5人と同市の担当者2人の市民訪問団が本市を訪れ、様々な交流を行いました。

(1)日本の文化体験・市内視察

 青少年たちは、千葉市立郷土博物館(千葉城)や千葉神社を観光し、千葉市の歴史や収蔵品について説明を受けたり、お賽銭の作法を教わったりするなど、日本古来の文化に触れました。また、海辺に建つ千葉ポートタワーの展望室では、パラグアイが内陸国であるため、あまり馴染みのない海に感激し、海を背景に何度も写真撮影をしていました。そして、食事の際には、普段口にすることのない生のシーフードやお箸を使っての食事に戸惑いつつも、積極的に挑戦していました。

(2)サッカー交流

  • サッカーワークショップの開催
     訪問団の来日に合わせて、千葉市では、市内の小学3年生~18歳の青少年を対象に、パラグアイから来日した、元サッカーパラグアイ代表コーチによるワークショップを開催しました。訪問団の青少年たちも手本となるプレーを披露し、千葉市の青少年にとっては、普段はテレビでしか見ることのできない、サッカーの本場である南米の技術や身のこなしに触れることができる貴重な機会となりました。
  • パラグアイ・フレンドリーカップへの参加
     青少年たちは、駐日パラグアイ大使館職員などと共にチームを編成し、千葉市で毎年開催されている「パラグアイ・フレンドリーカップ」というサッカー大会に参加しました。アスンシオン市の青少年たちがユニフォームの胸にカタカナ書きの名前シールを貼ったり、開会式でパラグアイの母語であるスペイン語の「Hola(こんにちは)」や「amigo(友達)」といった言葉を千葉市の青少年たちに紹介したりし、交流の輪が自然にできあがっていきました。

(3)学校交流

 訪問団は、千葉市立稲毛国際中等教育学校(以下、稲毛国際中)を訪問し、音楽・美術・書写・体育などの授業に参加しました。親睦を深めるために開催された交流会では、アスンシオン市の青少年は自分たちが住む都市についてプレゼンテーションを行ったほか、稲毛国際中の生徒たちが準備した、折り紙やけん玉、剣道などの日本の文化体験を楽しみました。また、訪問団の引率者がインストラクターとなり、「Zumba」という陽気なラテン音楽に合わせて行われるダンスを皆で踊った際には、国籍や言語の壁を超越した一体感が生まれ、両市の青少年たちに多くの笑顔が見られました。

4 これからも続く両市の交流

 今回の交流を終えて、アスンシオン市の青少年たちからは、「時間を守ること」や「まちや施設を美しく保つこと」といった日本の基本的な行動規範が印象的だった、という声が聞かれました。
 千葉市では、毎年交互に青少年の往来を実施する形で、今後もアスンシオン市との交流を継続していく予定です。異なる国で育った青少年同士が、サッカーという共通のスポーツを通じた交流機会を持つことで、今まで知らなかった地球の裏側の国が自分にとって身近な国に変わります。その結果、お互いの中に多文化共生の意識が育まれ、将来を担うグローバルな人材がますます成長していくことを期待しています。

  • (写真1)千葉市立郷土博物館(千葉城)の前での記念写真の様子
    千葉市立郷土博物館(千葉城)を観光
    (現地スタッフと記念撮影)
  • (写真2)書道を体験するアスンシオン市の青年
    学校訪問で書道を体験
  • (写真3)千葉市のサッカー少年たちを指導するワークショップ講師たちと少年の様子
    ワークショップ講師(写真手前左)が千葉市のサッカー少年たちを指導
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