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半世紀にわたるブルガリア共和国・プロヴディフ市との交流を祝う
岡山市市民協働局市民協働部国際課
岡山市とブルガリア・プロヴディフ市との交流の歴史
1972年5月12日に姉妹都市縁組が成立して以来、岡山市とプロヴディフ市は50年に渡り交流を続けてきました。成立以来、訪問団の相互派遣や、苗木や桃太郎像の寄贈、児童による絵画展の開催など、様々な分野で両市間の交流が行われてきており、姉妹都市縁組20周年の年には、JR岡山駅前にあり、岡山市のシンボルともいえる桃太郎像のレプリカを寄贈しており、プロヴディフ市内の公園に設置されています。
2019年には、プロヴディフ市は欧州文化首都2019の開催地の一つとして認定されたことを機に、プロヴディフ市からの要請を受け、岡山市民文化交流団を現地に派遣しました。訪問団は、日本の伝統音楽や岡山市内で開催されるお祭りで踊られる「うらじゃ」を披露したほか、現地の高校生とも交流し友好を深めました。
これらのプロヴディフ市との交流を契機に、ブルガリア共和国は東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会のホストタウン相手国ともなり、同大会では銅メダルを獲得した女子レスリング代表などが事前合宿を行いました。
そして、今年2022年は、プロヴディフ市との姉妹都市縁組50周年を記念し、様々な行事を行いながら、プロヴディフ市との絆を深めました。

ブルガリアといえばヨーグルト!株式会社明治との連携で、ブルガリアをもっと身近に
ブルガリア、と聞いて一番に思いつくのはヨーグルトではないでしょうか。実は、株式会社明治もブルガリア共和国から「ブルガリアヨーグルト」という名称を使ってもよいという許可を得てから、2022年で50周年を迎えるということで、岡山市と株式会社明治の間で連携協定を結び、共にプロヴディフ市との姉妹都市縁組50周年を盛り上げることになりました。
5月に市役所の食堂で開催した「ブルガリア料理フェア」では、株式会社明治に提供いただいたヨーグルトを使ってブルガリア料理セットを販売しました。中には昔ブルガリアに行った時の写真を持ってきて、ブルガリアとの縁についてお話してくださる方もいらっしゃいました。同時に開催したプロヴディフ市交流写真展の会場では、株式会社明治の管理栄養士による「ヨーグルトのひみつ」ミニセミナーも行われ、多くの方がヨーグルトの歴史や作り方、そしてブルガリアについて学びました。
また、6月以降、市内各地の公民館でもブルガリアやヨーグルトに関するセミナーを開催し、夏休みの子どもたちから、介護予防の運動を終えた高齢の方まで、様々な方にブルガリアについて知っていただく機会をつくることができました。

快晴の下、「プロヴディフな日曜日」でブルガリアの英雄、ボテフの像をお披露目
2019年に岡山市長がプロヴディフ市を訪問した際、プロヴディフ市から、市内の公園に設置されている、ブルガリアの英雄で詩人でもあるフリスト・ボテフの石像のレプリカを寄贈いただけるとの提案がありました。3年の時を経て、50周年の記念の年である2022年10月2日、そのボテフ像の除幕式を行うことができました。当日は「プロヴディフな日曜日」と題して、他にもキッチンカーでブルガリア料理や岡山のフルーツをつかった料理を無料提供したり、バラの鉢のプレゼント、ブルガリアの民族舞踊の披露、ヨーグルトセミナーを開催するなど、プロヴディフ市に親しんでいただけるイベントを開催しました。
会場となったのは、現在整備が進んでいる北長瀬未来ふれあい総合公園。中心に芝生の丘(プロヴディフ市は丘の街としても有名です)があり、隣には新しい複合商業施設もあり多くの方が訪れる場所で、秋晴れの下、芝生やカフェテーブルに座りながら、プロヴディフの雰囲気を感じてもらい、ゆったりとした日曜日を過ごしてほしいという思いで企画しました。
当日は期待を上回る晴天で暑いほどでしたが、延べ900人の方に来場いただき、たくさんの笑顔を見ることができたと共に、岡山市とプロヴディフ市の絆について知っていただくことができました。

来年こそは、リアルでの交流を期待!
新型コロナウイルス感染症が猛威を振るう前には、中高生が夏休みに相互に行き来をして交流したり、訪問団を派遣するなど、対面の交流を行っていました。この3年間も、オンラインで中高生の交流を継続してきましたが、そろそろ直接の交流も再開できるのではないかと期待しています。来年度は、岡山の中学生がプロヴディフを訪問し、市内の中高生のお宅でホームステイをするなどして交流を深めたり、プロヴディフ市からも訪問団に来ていただき、フリスト・ボテフ像の前で記念写真を撮りたいと、来年に向けて両市で今後の交流を楽しみにしているところです。
姉妹都市縁組締結51周年目をリアルでの相互交流の再開で迎えると共に、新たに加わった交流のシンボル、フリスト・ボテフ像と共に、次の50年も両都市がさらに良好な関係を築いていければと思っています。