グローカル外交ネット
協定署名直後にパンデミックに。
(愛知県小牧市・豊山町と米国グラント郡の交流)
在シアトル日本国総領事館
経済文化地域連携担当領事 本田知之
1 実は、日本との繋がりが深いグラント郡
グラント郡は米国ワシントン州の中央部に位置しており、沿岸部のシアトルからは車で3時間ほどの距離です。広大な土地を活用したジャガイモ、玉ねぎ、小麦などの生産・加工が盛んなほか、コロンビア川の水力発電によるクリーンエネルギーの生産や航空宇宙産業、製造業、化学処理産業も発達しています。
また、日本航空が1967年にグラント郡国際空港でパイロット訓練場を開設していたこともあるなど、航空分野を中心とした日本との長年の交流の歴史を持っていて、2016年には県営名古屋空港とグラント郡国際空港は姉妹空港提携を結んでいます。
2 パンデミック直前の協定署名
県営名古屋空港とグラント郡国際空港の姉妹空港提携やワシントン州と愛知県の友好の覚書をきっかけとして、県営名古屋空港のある小牧市、豊山町とグラント郡もそれぞれ2019年12月に「友好の覚書」を署名しました。これにより、経済・教育・文化・人材育成など様々な分野において交流を促進することとなりました。しかし、皆さんご存じの通り、2019年末から新型コロナウィルス感染症の世界規模での蔓延により、交流にいきなり高い壁が立ち塞がることとなりました。

右:豊山町とグラント郡の「友好の覚書」署名(2019年12月)
3 オンラインでの学生交流
パンデミックで対面での交流ができない中で、小牧市・豊山町はそれぞれグラント郡とのオンラインでの学生交流を始めました。交流会では、学生たちは「どんなことが学校で流行っているのか?」、「お正月にはどんなことをするのか?」、「バレンタインデーはどんな日なのか?」など身近なことを紹介し合って、日米の文化・ライフスタイルの違いと共通点を学びました。

右:豊山町とグラント郡のオンライン学生交流の様子(2021年12月)
4 コロナ後に向けて
現在はオンラインのみの交流ですが、やはりコロナ後にはそれぞれの地を訪問して対面で交流することが検討されています。特に、豊山町は2022年度に町政50周年を迎えるため、様々な記念事業・イベントを予定しており、グラント郡のシンディ・カーター長官も「是非お祝いに駆け付けたい」と仰っています。
協定署名直後にパンデミックに見舞われた小牧市・豊山町とグラント郡との交流ですが、その困難な環境の中でも、オンラインを活用して、友好関係を深めてきています。在シアトル日本国総領事館としても、今後さらに活発になっていくように、引き続きご協力していきたいと思います。
