グローカル外交ネット

令和3年7月27日

埼玉県県民生活部オリンピック・パラリンピック課

取組の経緯

 埼玉県では当初、本県の魅力発信や大会後も続く県民と海外の人々との絆づくりを目的に、東京2020大会に出場する海外選手の家族や大会関係者をゲストとして受け入れるホームステイの実施を計画していました。
 平成30年度から、受け入れ家庭として応募いただいた県内671家庭のホストファミリーに研修を受講していただくなどして準備を進めていましたが、新型コロナウイルス感染症拡大によりホームステイの実施を断念せざるを得なくなりました。
 その一方で、コロナ禍でも安全・安心に海外のゲストとホストファミリーが交流する方法を検討し、その結果、たどり着いたのがオンライン交流でした。
 昨年12月から試験的に実施し、海外のゲストとホストファミリー双方から好感触を得たため、令和3年度から本格的に「オンライン交流@埼玉」として開始しました。

取組の概要

 ホストファミリーには応援団という位置づけで、東京2020大会に出場する海外選手団とオンライン交流をしていただくというのが最大の特徴です。また、交流時にはホストファミリーから埼玉の観光・グルメなどの紹介をしていただき、県の魅力発信につなげていくことも特徴の一つです。
 交流する相手国・地域についても、本県での事前キャンプ実施の有無やホストタウン相手国・地域であるか否かを問わず、全世界の国・地域に参加を呼び掛けています。
 これまで国際会議等の場で知り合った各国・地域のオリンピック委員会、パラリンピック委員会及び各競技団体の関係者、駐日大使館関係者などに参加を呼び掛けた結果、これまでに150人近い方々にご参加いただいています。
 オンライン交流の実施にあたっては、大会前、大会中、大会後の三段階に分けて内容を変えて実施しています。
 大会前のオンライン交流は、ホストファミリーと海外の選手団との出会いの場ととらえ、1回の交流になるべく多くの国・地域の選手団に参加いただきます。
 大会中のオンライン交流では、大会前のオンライン交流で知り合った海外選手団や県内で事前キャンプを実施する選手団との個別の交流を実施。出場直前の選手を応援したり、競技後の選手を労うなどして、交流を深めていきます。
 大会後にはこれまでに交流した海外選手団とオンラインで再会する場も設け、大会後も続くホストファミリーと海外選手団との関係を築きます。

これまでの取組

 これまでに6回のオンライン交流@埼玉を実施。延べ300人を超える海外選手団及び関係者とホストファミリーが参加しています。その中には、2012年ロンドン五輪、2016年リオ五輪の2大会連続でメダルを獲得したコロンビアの元柔道選手にも参加していただき、ホストファミリーからは「まさかメダリストと交流できるとは思いませんでした!」という喜びの声をいただきました。また、「多くの人と国と時間をまたいで交流していることに感動しました」といった感想も寄せられています。

(写真1)2016年リオ五輪で銀メダルを獲得したコロンビアの元柔道選手ジュリ・アルベアルさん 2016年リオ五輪で銀メダルを獲得したコロンビアの元柔道選手ジュリ・アルベアルさん

 海外選手団からは、「いつもとは違うオリンピックを前にアスリートとして不安を抱えていましたが、埼玉の皆さんの温かい心遣いに安らぎを覚えました」、「コロナ禍でオンラインでたくさんの人が集うことは大変価値のあることだと思います」というコメントをいただいています。

(写真2)琴演奏の様子、埼玉のお祭りを紹介している様子、折り紙の花火などを撮影した様子 ホストファミリーからは琴演奏、埼玉の祭り紹介、折り紙の花火の披露などの温かいおもてなし

 個別の応援の場として、7月初めにコンゴ共和国パラリンピックチームのオンライン壮行会を開催しました。短距離走と投てき競技の選手2名とスタッフが参加し、ホストファミリーとの笑顔あふれる交流を楽しんでいただいた様子でした。

(写真3)コンゴ共和国パラリンピックチームの壮行会の時の埼玉のホストファミリーさんたちの表情が25分割で映し出された様子 今後も埼玉のホストファミリーが海外選手団を応援していきます
(写真はコンゴ共和国パラリンピックチームの壮行会)

今後の展開・展望

 今後は、これまでに知り合った選手団との関係を強化し、ホストファミリーが各選手団を個別にしっかりと応援する場を設けて、大会に向けて絆を深めていきたいと考えています。
 また、オンライン交流に参加いただいた在京ベネズエラ大使館関係者とのご縁で、ホストファミリーと在日ベネズエラ人とでオリンピック男子バレーで行われる日本vsベネズエラの試合のオンライン観戦会開催も予定しております。
 「オンライン交流@埼玉」を通じて、本県の魅力発信と海外との絆を構築し、無形のレガシーとして、大会後も継承していけるよう取り組んでまいります。

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