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福岡県とタイ王国バンコク都との青少年交流・育成事業について
福岡県企画・地域振興部国際局地域課
1 はじめに
福岡県とタイ王国バンコク都(以下「バンコク都」)は、2006年に友好提携を締結して以来、経済、環境、文化、教育、青少年育成といった幅広い分野で交流を積み重ねてきました。
また、行政や議会の相互往来も盛んで、双方の地域をPRするトップセールスイベント等も積極的に行っています。
さらに、こうした交流が実を結び、2018年に在福岡タイ王国総領事館が開設され、バンコク都及びタイ王国との友好関係は、ますます深まってきました。
2 青少年交流・育成事業について
2008年から実施している青少年交流・育成事業では、本県とバンコク都の両地域における若い世代の相互理解と交流を促し、海外を視野に入れたキャリア形成意欲の向上を目指すことにより、国際的な視野を持った青少年の育成を図っています。
2015年からは分野を絞り、デジタルコンテンツ(映像製作等)分野を専攻する学生を対象とした相互交流事業を実施しました。
さらに、2020年からは、日・タイ両国で推進されている第4次産業革命に必要な未来技術分野(AI、IoT、ロボティクス等)を専攻する学生を対象とする交流事業をスタートしました。
3 未来技術分野における青少年交流事業について
この交流事業は、本県とバンコク都双方の学生が一堂に集まり、有識者や起業家など専門家による講義により見識を広げ、両地域に共通する課題を発見し、その解決策を提案する日・タイ学生共同のワークショップを通じて交流を深めるものです。
第1回目(2020年)は、新型コロナウイルス感染症の影響で渡航が制限されたため、残念ながら対面での交流は実現できず、オンラインでの実施となりました。両地域から参加した10名の学生たちは、高齢者の生活支援という課題に対し、高齢者の移動をサポートするアプリやロボット、高齢者を見守るGPS・AI機能を搭載したツールの設計・開発などを解決策として提案するなど、非常に充実した内容になりました。
今年も、感染症拡大の状況を注視しながら、この交流事業を実施することにより、本県とバンコク都との友好提携関係をさらに深めていく予定です。

