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中国・重慶における長野県産伝統的工芸品の販売促進
長野県産業労働部産業政策課
(公財)長野県中小企業振興センター
はじめに
古来水上交通の要衝として栄えてきた中国の重慶市。
重慶市には、一般財団法人伝統的工芸品産業振興協会が、日本の伝統的工芸品の普及や正しい情報発信等を目的として中国に初めて開設した常設展示場「青山SQUARE重慶店」があります。
令和3年3月12日に、この青山SQUARE重慶店において、長野県の伝統的工芸品とジャパニーズウイスキーを組み合わせたイベントを開催しました。
新型コロナウイルス感染症の世界的流行により、人的往来が制限される中、「手に取れる長野県」として長野県産伝統的工芸品の販売を促進し、産地への支援を図るとともに、中国人消費者に対して当県の魅力を訴求することが目的です。
長野県の伝統的工芸品

長野県には、経済産業大臣の指定を受けている伝統的工芸品が7品目、県知事指定の伝統的工芸品が21品目あります。今回のイベントでは、経済産業大臣指定の木曽漆器(産地:塩尻市等)、南木曽ろくろ細工(産地:木曽郡南木曽町等)、信州紬(産地:上田市等)の3品目の専用展示コーナーを設けました。
イベント概要

「日本の工芸品=日本酒」というイメージが強いですが、ジャパニーズウイスキーは中国でも人気があり、様々な酒器との相性が良いのも特徴です。今回のイベントは、木曽漆器のガラス製酒器を組み合わせ、29名の中国人来場者にウイスキーを楽しんでもらうもので、来場者は会場に並べられたガラス製漆器からお好みの酒器を選びウイスキーを味わいました。
冒頭では、在重慶日本国総領事館の渡邊信之総領事が挨拶、「日本の匠の技が詰まった伝統的工芸品の魅力を中国の方に知ってもらう貴重な機会になる」と語りました。

なお、本イベントは、青山SQUARE重慶店において、長野県産伝統的工芸品にスポットを当て、リアル/オンライン両方を活用した販売促進事業である「長野ウィーク」のオープニング企画として実施したものです。当日に南木曽ろくろ細工の商品を複数購入した来場者もおり、「繊細なつくりが魅力的。新型コロナウイルス感染症の流行が収束したら実際に作られている産地へ行ってみたい」という声も聞かれました。
今後の展開
今回のイベントは購買層に直接プロモートし、実際の商品購入にもつながる取組として有意義なものでした。やはりコロナ禍であっても、消費意欲が旺盛な中国市場において、日本の文化・商品に触れたいという中国人消費者のニーズを捉え、購入者のすそ野を広げる活動を継続していくことが大切であると改めて実感しました。
今後も、こうした取組を通じて、伝統的工芸品の販売促進を実施することはもちろん、その背景にある各産地のストーリーを伝えることで、長野県の観光や文化、地域の魅力をPRすることにもつなげていきたいと考えています。