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令和3年6月23日
(写真1)東日本大震災・原子力災害伝承館を見学する祐希 ミッシェル ウインズさんと黎永楊さん 2020年9月に開館した「東日本大震災・原子力災害伝承館」を視察
(写真2)果樹園で談笑する祐希 ミッシェル ウインズさんと黎永楊さん くだもの王国、福島!
(写真3)只見線を見学する祐希 ミッシェル ウインズさんと黎永楊さん 絶景路線!紅葉の只見線

福島県国際課
祐希 ミッシェル ウインズ
黎永楊

1 はじめに

祐希 ミッシェル ウインズさん

 私はカナダのバンクーバー市で生まれ育ちました。父親はカナダ人で、母親は日本人でして、小さいころから日本を訪れる機会が多く、日本は身近な国に感じていました。
 学生時代は、ブリティッシュ・コロンビア大学で日本学とフランス学を専攻しました。大学3年生の時に1年間、東京外国語大学に留学したことがきっかけで、英語と日本語を使う仕事をしたいと考え、日本に就職したいと思いました。大学卒業後、JETプログラムに応募し、国際交流員として福島県で働くことになりました。
 私が福島県を初めて知ることになったのは、2011年の東日本大震災の時でした。当時、私は高校生でしたが、テレビで津波や原発事故の深刻な映像を見て、福島県民のために何かしたいという気持ちが沸き起こりました。そして、私の通っていた高校と協力しながら、昼休みを使って募金活動を行い、そこで集めたお金を寄付しました。
 偶然にも私は現在、その福島県で仕事をしており、もうすぐ3年が経ちます。 2018年から2年間は福島県国際交流協会で県内に住む外国人の相談にのったり、国際交流イベントを企画したりしました。現在は福島県国際課で主に国際交流に関する情報発信の業務を行っています。

黎永楊さん

 私は、中国広東省出身です。日本に興味を持ったきっかけは、子どものときに見た日本のアニメでした。日本のアニメを放送しているチャンネルがあって、当時小学生だった私にはとても新鮮で面白く、毎日のように見ていました。アニメを見ながら、日本のことを知りたいと思うようになり、大学では日本語を専攻し、学び始めました。日本語を勉強しながら、いつか日本へ行こうとずっと思い続けていたところ、幸運にも大学3年生の時に、その機会が訪れ、日本の大学で1年間の交換留学を経験することができました。
 大学卒業後、勉強した日本語を使って仕事をしたいと思い、広東省広州市にある日系企業で3年間働きましたが、中国に帰国後も、日本に対する関心は衰えず、駐中国日本大使館のSNSをフォローしていました。そこで、JETプログラムのことを知り、思わず応募しました。
 現在は、JETプログラムの国際交流員として、福島県国際課に勤務し、4年目を迎えています。

2 福島県国際課での勤務 地域の人々との交流

 福島県は面積の大きい県であり、浜通り、中通り、会津地方の3つの地方があります。それぞれに、自然の豊かさや伝統文化、美味しい食べ物があり、その土地にしかない特徴があります。また、何よりも福島県は東日本大震災から10年にわたって復興に取り組み、その立ち直った姿と努力が魅力的だと思います。
 このような福島県で、私たちは海外や大使館からお見えになる来賓の通訳、外国語公文書や外国人向けの案内パンフレット・情報誌・ホームページなどの翻訳を行っています。
 また、地域での国際交流、多文化共生社会づくり、異文化理解などをお手伝いするため、県内の自治体や民間の国際交流団体、学校などに出向き、母国の歴史・地理・人口・風土や食・生活スタイルなどの文化について紹介しています。

3 福島の“今”を世界に発信! Fukushima Todayプロジェクト

 上記の業務に加え、私たちは昨年秋からFukushima Todayプロジェクトを担当しています。このプロジェクトは、福島県の観光のPRだけではなく、復興の姿を紹介する事業でもあります。県内の施設や観光地、食べ物を取材し、Facebook・Twitter・Instagramの3つのSNSを通して、英語、日本語で発信することで、外国人の視点で福島県の今やその魅力を伝え、世界中の人々に知ってもらうことで、福島県に対する誤解や偏見を変えたいと思っています。
 Fukushima Todayプロジェクトに対し、世界中の人々から反響がありました。世界各国にある日本大使館や福島県人会からSNSでフォローをされており、フォロワー数も徐々に増えています。
 また、このプロジェクトを通して、地域の方々とお話する機会が増えました。福島県民はとても温かく、親しみやすいと思います。県民の皆さんは様々な困難や辛い経験をしてきましたが、そうした苦難に心折れることなく、一日一日頑張っている姿がとても心強いです。
 県民が故郷を誇りに思っていることを私たちは尊敬しており、この気持ちを海外の皆さんに伝えていきたいです。

「Fukushima Today」のアカウントとURL
SNSの種類 言語 アカウント(上段)、URL(下段)
Facebook 日本語 @FukushimaToday.official.jp
https://www.facebook.com/FukushimaToday.official.jp別ウィンドウで開く
英語 @FukushimaToday.official
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Twitter 日本語 @f_today_jp
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英語 @fukushima_today
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Instagram 日本語 @fukushima_today_jp
https://www.instagram.com/fukushima_today_jp/別ウィンドウで開く
英語 @fukushima_today
https://www.instagram.com/fukushima_today/別ウィンドウで開く

4 福島と世界との懸け橋として

 東日本大震災で被災した県の中でも、福島県の場合は、特に原発事故による風評被害の影響が残っており、海外でも未だ不安や心配の声が聞かれます。
 福島県では復興に向けて、再生可能エネルギーやロボット開発を始め様々な取組が行われていますので、私たちはそうした取組を一人でも多くの人々に知ってもらい、福島県に対する誤解が変わるとともに、福島県に行ってみたい、応援したいという人を増やしていきたいと思っています。

5 さいごに

 今後も、地域での国際交流イベント等を通して、多くの人に私たちの国についてもっと知ってもらいたいと思っています。また、Fukushima Todayプロジェクトで、県民の方も気づかないような魅力を発見して、福島の“今”を世界に紹介していきたいです。

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