グローカル外交ネット

令和3年4月26日

在レオン総領事館

広島県とグアナファト州

 メキシコ中央高原バヒオ地区には、過去10年ほどで自動車関連産業を中心とする日本企業の進出が相次ぎ、在留邦人数も年々増加、日本との関係緊密化がめざましく進んでいます。特に、広島県とグアナファト州の交流については、2014年に、広島県に本拠を置くマツダの工場が州内に開設され、広島県とグアナファト州による友好提携も結ばれました。2017年にはオリンピック、2020年にはパラリンピックの東京大会の事前合宿受入基本協定も締結され、メキシコからの選手団が広島で合宿を行っています。
 現在では、広島にゆかりのある20あまりの日本企業が進出し、両地方自治体の交流は、行政関係者及びビジネス関係者はもとより、スポーツ、文化、学術交流などにも広がり、幅広い交流が進んでいます。

(写真1)広島県とグアナファト州による友好提携 広島県とグアナファト州による友好提携
(写真2)交流の様子 交流の様子

広島叡智学園への留学生派遣

 そのような交流の一環として、本年1月、広島県教育委員会とグアナファト州教育情報助成基金(EDUCAFIN)との間で、グアナファト州から広島叡智学園への留学生派遣に係る連携協定が締結されました。この協定を通じ、グアナファト州の奨学金プログラムであるEDUCAFINは、グアナファト州において広島叡智学園について広く紹介するとともに、メキシコ人生徒の同学園への留学派遣を支援します。
 この協定は、2019年7月に、両地方自治体友好提携5周年記念として、湯﨑広島県知事がグアナファト州を訪問し、ディエゴ・シヌエ・ロドリゲス・バジェホ同州知事と行った会談にて、湯﨑知事が広島叡智学園について紹介されたことがきっかけとして、今回の締結に至ったものです。

(写真3)広島県教育委員会とEDUCAFIN留学生派遣に係る連携協定 広島県教育委員会とEDUCAFIN留学生派遣に係る連携協定

叡啓大学への留学生派遣

 また、昨年12月、公立大学法人県立広島大学と(2021年4月から広島県公立大学法人に名称変更)EDUCAFINとの間で、2021年4月に同法人の下で開学された新たな県立大学である叡啓大学への留学生派遣に向けた連携協定が締結されました。この協定を通じ、EDUCAFINはグアナファト州内の学校・地域に対し、叡啓大学の入学者募集情報の周知などの広報活動を実施するとともに、叡啓大学への留学志願者の推薦・支援を実施します。

ベティ・ヤマモトさんへの追悼

 このような、広島県とグアナファト州、また日本とグアナファト州を含むメキシコの交流の実現には、メキシコ側関係者による多大なご尽力がありました。とりわけ、日系三世のメキシコ人であり、かつて連邦下院墨日友好議連会長を務められた、ベアトリス・ヤマモト女史の功績を忘れることはできません。同女史は、日本人及びメキシコ人の血筋に誇りを持ち、グアナファト州から連邦議員を務め、グアナファト州を含むバヒオ地区への日本企業誘致のため、そしてメキシコと日本の交流のために、大きな貢献をされました。その功績が高く評価され、2019年には旭日小綬章が受章されました。
 同女史は、日墨関係のキーパーソンであったのですが、残念ながら、2021年2月8日に逝去されました。故人のご冥福を祈り、感謝の気持ち、そして哀悼の意を表します。ベティさん、ありがとう!

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