グローカル外交ネット

令和2年11月17日

神奈川県・藤沢市

1 はじめに

 藤沢市は神奈川県とともに、市内にある神奈川県立スポーツセンターを拠点に、事前キャンプの受入れを予定していることから、エルサルバドル共和国(オリンピック選手団)、ポルトガル共和国(パラリンピック選手団)、エジプト・アラブ共和国(オリンピックフェンシング選手団)のホストタウンに登録されています。新型コロナウイルス感染拡大により思うように交流が進まない状況にありましたが、令和2年9月23日にはエルサルバドル共和国の駐日大使館から当市医療従事者に対し、同国特産のコーヒーを寄贈いただき、また、10月24日にはポルトガル共和国のパラスポーツ選手等と市内在住・在学の中学生の間でオンライン交流が行われました。それぞれの交流の内容についてご紹介します。

2 駐日エルサルバドル共和国大使館からのコーヒー寄贈

 9月15日に開催された、中米統合機構(SICA)の友好記念式典で、中米7か国がそれぞれホストタウン登録されている自治体の、新型コロナウイルス感染症と最前線で闘う医療従事者の皆様に一息ついてもらいたいという思いから、中米特産のコーヒーが寄贈されました。加盟国の1国であるエルサルバドル共和国からも、駐日エルサルバドル共和国大使館のマルタ・リディア・セラヤンディア・シスネロス特命全権大使を通じて、神奈川県及び藤沢市に向け、同国産のコーヒーを寄贈いただきました。
 セラヤンディア閣下からは、「今年は新型コロナウイルスの感染拡大によりオリンピックが延期となる等、異例な年となりましたが、来年は必ずやオリンピックが開催されると信じています」と力強いお言葉をいただきました。
 また、セラヤンディア閣下は、特命全権大使就任に先立ち14年間藤沢市に在住され、市内小学校で8年間国際理解教育に携わっておられたこともあり、神奈川県藤沢市と大変ご縁の深い方です。閣下が両国の懸け橋となり、2014年に藤沢市からエルサルバドル共和国へ消防車両を無償譲渡したこと等を経て、ホストタウン登録に至った経緯もあり、ホストタウンの事業については、大変なご尽力をいただきました。
 藤沢市としては、神奈川県とともに、今後も駐日エルサルバドル大使館と連携を取りながら、エルサルバドル共和国との交流を深めて参ります。

(写真1)セラヤンディア閣下から、神奈川県と藤沢市に対し、コーヒーの寄贈 セラヤンディア閣下から、神奈川県と藤沢市に対し、コーヒーの寄贈

3 ポルトガル共和国のパラスポーツ選手とのオンライン交流

 10月24日に、ポルトガルのパラスポーツ選手等との交流を行う、「教えて!オリンピック・パラリンピックのちから 『+1』from FUJISAWA」を開催しました。本イベントは、市内在住または在学の中学生等を対象とし、ポルトガルパラリンピック選手団が事前キャンプを実施する予定の、市内にある県立スポーツセンターを会場として、Zoomによるオンライン参加と、スポーツセンターが所在する地元地域枠としての会場参加を組み合わせて開催しました。
 当日は、第1部では、藤沢市障がい者スポーツ連絡協議会会長の種田多化子さんから、ご自身がパラスポーツを始めたきっかけや、パラスポーツを通じて様々な人が共に参加できる社会を目指されていること等を会場でお話いただきました。次に北京・ロンドン・リオ大会と3大会連続でパラリンピック水泳競技に出場し、メダルも獲得されている、東京ガス株式会社所属の木村敬一選手にオンラインで出演いただき、木村選手から東京2020大会で、日本の選手として海外選手を快く迎え入れることや、延期になってしまったこの1年で、さらなる成長に向け努力をしていくこと等、大会へ向けた思いを語っていただきました。また、ポルトガルのパラスポーツ選手とのオンライン交流を行う第2部に向けて、ポルトガルオリンピック・パラリンピック委員会のアタッシェであるポルトガル大使館の日置圭一さんから、歴史的にも日本と縁の深い、ポルトガル共和国についてお話をいただきました。
 そして、第2部では、ポルトガルパラリンピック選手団長で、アトランタ・シドニー・アテネ・北京と4大会連続でパラリンピック水泳競技に出場したパラリンピアンでもある、レイラ・マルケス・モッタさん、同じくパラ水泳選手のジーノ・カエターノさん、ボッチャ選手のカルラ・オリヴィエラさん、の3人にご参加いただきました。
 3人からパラリンピックについての話をしていただいたり、中学生からの質疑に答えていただいたりと、リアルタイムの交流ができ、中学生の皆さんにとっても貴重な体験となりました。ポルトガル選手の皆さんからも「神奈川県・藤沢市のみなさんと、オンラインでお話ができてとてもうれしいです。」とのコメントをいただきました。
 また、当日は鈴木藤沢市長も会場参加し、レイラさんと2019年9月9日に執り行った、事前キャンプ実施に関する協定締結式から1年ぶりの再会をオンラインで果たすこともできました。
 神奈川県及び藤沢市にとって、この度のポルトガル共和国との交流は、ホストタウンの取組の大きな一歩になったイベントだったと言えます。

(写真2)オンラインイベント会場 オンラインイベント会場
(写真3)オンラインでポルトガル選手に質問をする生徒 (右下は鈴木恒夫藤沢市長) オンラインでポルトガル選手に質問をする生徒
(右下は鈴木恒夫藤沢市長)

4 今後について

 新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受け、東京2020大会が延期されたことに加え、ホストタウンとしての交流についても、大きな制約がある状況ですが、藤沢市は神奈川県とともに、今後もホストタウンの相手国である各国と引き続き連携を取りながら交流事業等を実施し、お互いの絆をより深めていき、万全の状態で来夏に皆さんを迎えられたらと思います。

グローカル外交ネットへ戻る