グローカル外交ネット
エール交換が地方と世界の絆を強くする
外務省地方連携推進室

「私たちの気持ちは皆さんと一緒です。一緒に頑張って乗り越えましょう。」
今年3月にタイのボッチャ代表チームからホストタウンである大館市の皆さんそして秋田県の皆さんへSNSで届けられた日本語でのエール。世界で新型コロナウイルスの感染拡大が続き,日本でも感染拡大の恐れが高まる最中,海の向こうの微笑みの国から届けられた心のこもったエールにどれほど励まされたことでしょうか。
地方連携推進室では2018(平成30)年11月にTwitterアカウントを開設して以来,英語と日本語で,日本の地方の魅力や日本の地方と世界とのつながりに着目した情報を主に発信し続け,そのときどきにおける旬な情報の発信を心掛けてきました。今なお新型コロナウイルスの世界的感染拡大が続き,日本の地方と海外との往来が困難な状況の中で,SNS上では,「一緒にコロナに打ち勝とう!」とホストタウンや姉妹都市の相手国へ向けてエールが送られる動きが見られ始めました。今回は,「地方連携推進室Twitterの窓から」と題し,当時のツイートとともにSNS上で様々に展開された心温まる励まし合いの光景をご紹介します。
冒頭でご紹介したタイから届けられた温かいエール。これを受けた大館市からは,小学生による可愛らしいご当地ダンスと励ましのメッセージがタイの皆さんへ送られました。
これに続けて,大館市長を始め市職員・関係者の皆さんからも,「スース―(頑張っての意)!」の掛け声とタイ語を交え,気持ちのこもったエールが送られました。
ホストタウンつながりではこの他にも,神奈川県厚木市へニュージーランドのゴルフやバスケットボールの代表選手からエールが届けられています。選手一人一人から言葉が発せられており,勇気づけられるとともに愛着が湧いてきます。東京大会ではぜひとも選手の名前を呼んで応援したくなる気持ちになります。
選手個人からのエールと一緒に自宅でできる運動方法を紹介してくれている動画もありました。ホストタウンである山梨県甲府市へ送られたフランスの卓球代表選手からの動画です。心も体も温かくなります。
ホストタウンであるカナダの水球代表チームからエールが届いた岩手県盛岡市では,市職員が水球のボールとラグビーボールのパス回しをしながら,交流の思い出を辿っていく躍動感あるエール動画が送られています。
山形県村山市からは,ホストタウン相手国のブルガリアへメッセージとともに手作りマスクの作り方を紹介する動画が届けられました。なんとこの動画はブルガリア国立テレビのニュースで取り上げられています。きっと多くのブルガリアの方々に届いたことでしょう。

ホストタウンであるドイツへ向けて,愛知県豊橋市・宮崎県延岡市・兵庫県豊岡市・東京都青梅市の四市が連携してパワフルにエールが送られました。同じドイツのホストタウンになったことを縁に,自治体同士が連携する姿はきっと東京大会後にも継続し,ドイツとの友好関係もどんどん深まっていくことでしょう。
ダイナミックな形でエールが送られたこともありました。静岡県藤枝市では,市内に架かる全長118メートルのふれあい大橋がイタリア国旗カラーにライトアップされ,ホストタウン相手国のイタリアへ向けてエールが送られました。

Photo/写真:(c) Light Art by Gerry Hofstetter / Foto Gabriel Perren
標高4,478mを誇るスイスの名峰マッターホルンから世界へ向けて送られたエール。感染拡大防止に懸命に取り組む世界各国の国旗やメッセージが山頂に映し出されました。日の丸の国旗が映し出された際には,ツェルマットと姉妹都市である新潟県妙高市と山梨県富士河口湖町へ向けたメッセージがこのプロジェクトサイトで紹介されました。
この先しばらくは日本の地方と海外との往来が叶わず,対面での交流機会を持つことは難しいかもしれません。しかし,こうしたSNSを通じたバーチャルな交流によって,これまでとは違った,新たな交流の深化が示されていくことと思われます。SNS交流を積み重ねることができればできるほど,いつか出会えた時の感慨も一入となることでしょう。
「コロナに負けるな,日本!コロナに負けるな,世界!」
新たな形で日本の地方と世界が逞しく交流する姿から総じて大きなメッセージが読者の皆さんへ伝わることを願っています。今後も「地方連携推進室Twitterの窓から」見えてくる新たな動きを捉え,皆さんへお届けして参ります。