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奈良の仏像海外展示
奈良県地域振興部文化資源活用課
日本のはじまりの地と言われている奈良県には,ユーラシア大陸における東西文化交流を背景に持つ仏像が脈々と受け継がれてきました。そして,奈良県内の社寺では,長い祈りの歴史とともにその伝統に根差した造形文化が育まれてきました。
また,奈良県では,スイス・ベルン州との友好提携を契機とした林業分野での交流や,考古学における発掘調査・遺物整理保存技術等の研究機関との交流など,様々な分野において,奈良県と各国が深く繋がり,互いの文化を知る国際交流を推進してきました。
この度,奈良県の魅力を世界に向けて発信するために,奈良が世界に誇る仏像をはじめとした宗教美術をヨーロッパの著名な美術館・博物館で展示します。
2020年の東京オリンピック・パラリンピック競技大会開催を目前に,世界から日本へ注目が集まっている中で,「日本のはじまり,奈良」を発信していきます。

2019年1月23日から3月18日には,フランス・パリにあるギメ東洋美術館において「古都奈良の祈り(Nara, trois trésors du bouddhisme japonais)」展を開催しました。本展では,奈良の古刹である興福寺のご協力を得て,3躯の仏像を出陳いただきました。また,本展は,日仏友好160年を記念し開催されたジャポニスム2018:響きあう魂(Japonismes2018:les âmaes en resonance)公式企画として,花の都パリで,古都奈良の奥深い魅力をPRしました。

フランスでの展覧会に引き続き,2019年10月3日から11月24日に,イギリス・ロンドンにある大英博物館において「奈良―日本の信仰と美のはじまり(Nara : sacred images from early Japan)」展を開催致します。
本展は,日英文化季間2019~20の認定事業です。日英文化季間とは,2019年に開催されるラグビー・ワールドカップ,2020年に開催される東京オリンピック・パラリンピック競技大会を橋渡しする形で,日英両国の多面的な魅力を伝え,紹介する機会となります。
日本を代表する法隆寺,薬師寺,東大寺,唐招提寺,西大寺といった奈良の古刹,そして春日大社,丹生川上神社といった由緒ある神社より多大なご協力をいただき,名宝が一堂に会するこれまでにない展示が実現します。
また,本展では,奈良からの出陳作品だけではなく,大英博物館のコレクションからも奈良と縁ある作品が併せて展示されることとなりました。大英博物館と奈良の交流を示す,明治期の法隆寺金堂壁画模写(伝桜井香雲筆)や,大陸から日本への仏教伝播を示す敦煌仏画を紹介いたします。

本展の関連企画として,ジャパンハウスロンドンにおける奈良の歴史・文化や県産品に関するプロモーションや,大英博物館が主催するシンポジウムを開催する予定です。是非多くの方に参加いただき,出陳作品へのより深い理解を得ると共に,奈良の新たな一面を見つけていただければと願っております。
展示概要
- 展覧会タイトル
- 日:奈良―日本の信仰と美のはじまり
英:Nara : sacred images from early Japan - 会期
- 2019年10月3日(木曜日)~11月24日(日曜日)53日間
- 会場
- 英国 ロンドン 大英博物館
朝日新聞ディスプレイ(Room3),三菱商事日本ギャラリー(Room93) - 主催
- 奈良県,大英博物館
- 監修
- 根立研介(京都大学大学院教授/奈良県学芸政策顧問)
ティモシー・クラーク(大英博物館日本セクション長)
サムエル・C・モース(アーモスト大学美術・美術史学部アジア言語文学部教授/大英博物館コンサルタントキュレーター)
- 特別協力
- 法隆寺,薬師寺,東大寺,唐招提寺,西大寺,春日大社,丹生川上神社,文化庁,奈良国立博物館,東京国立博物館,朝日新聞社,三菱商事
- 協力
- 日本航空