グローカル外交ネット
「サク」という同じ都市名が姉妹都市・ホストタウンのきっかけに!
(長野県佐久市とエストニア)
長野県佐久市
1 エストニア共和国関連 最新2大ニュース!!
(1)東京2020オリンピック競技大会フェンシング女子のエペ団体種目で金メダルを獲得しました!
長野県佐久市ではエストニア共和国のホストタウンとして、フェンシング、柔道、レスリング、陸上(十種競技)の計8名の選手について、事前合宿を受け入れました。コロナ禍で制約のある状況でしたが、選手が万全のコンディションで大会に臨み、最高のパフォーマンスが発揮できるよう精一杯のサポートとおもてなしを行いました。市民との直接的な交流が叶いませんでしたが、フェンシングと陸上(十種競技)では、選手団の協力により公開練習の場を設け、トップアスリートの練習を感じることが出来ました。
大会本番では、フェンシング女子のエペ団体種目では金メダルを獲得し、エペ個人種目ではカトリーナ・レヒス選手が銅メダルを獲得されました。市民の皆さまや事前合宿に携わった関係者にとって非常に嬉しいニュースとなりました!
(2)エストニア共和国の大統領が佐久市にいらっしゃいました!
オリンピックの閉会式に合わせて来日していたエストニア共和国のケルスティ・カリユライド大統領(当時)が8月6日(金曜日)に佐久市にいらっしゃいました。来訪目的は本年2月に佐久市の市長が受章したエストニア共和国の勲章「テッラ・マリアナ十字勲章」の授与でした。テッラ・マリアナ十字勲章はエストニアに対して顕著な功績を残した外国人に授与される勲章で、外国人に授与される勲章としては最上位のエストニアの勲章です。
勲章授与式では大統領より「佐久市がエストニアと長年にわたる優れたパートナーであること」「エストニアのホストタウンの事前合宿を受け入れてくれたこと、また佐久市でトレーニングをしたエストニアのフェンシングチームが金メダルを獲得したことへの御礼」のお言葉をいただきました。
2 「長野県佐久市」「エストニア共和国サク市」の交流
(1)交流のきっかけ
平成10年(1998年)に駐日エストニア共和国大使館の職員が、上信越自動車道を走行中に佐久ICの標識を見つけ、同じ地名の「佐久市」が知られたことが交流のきっかけとなりました。
(2)交流概要
平成17年(2005年)2月には、スペシャルオリンピックス長野大会に参加のエストニア選手団を市民がホームステイで受け入れるなど交流を続け、平成19年(2007年)5月1日に友好都市協定の調印をしました。これまで、周年の相互訪問などをはじめ、平成28年(2016年)からは、両市の子どもたちがお互いの国を訪問し、ホームステイや子ども交流会などを通じて、交流を深めています。
令和元年(2019年)5月1日、令和最初の日には両市間の友好協力関係をより一層強化し、両市の更なる発展に寄与するため、友好都市から姉妹都市へ協定を変更しました。
3 ホストタウン相手国であるエストニア共和国を多くの市民の皆さまに知っていただきたい!
佐久市は、エストニア国内の都市と姉妹また友好都市提携を結ぶ国内唯一の自治体であることなどからホストタウン登録となりました。多くの市民の皆様にエストニアのことを知っていただきたいとの思いから、佐久市はホストタウンとして多くの取組を行ってきました。その一部をご紹介します!
- 「エストニアウィーク」「エストニア祭」の開催
市内スーパーマーケットにて、エストニアの食品の紹介や販売を行いました。
エストニア祭では、佐久市親善交流大使(当時)の把瑠都氏やエストニア共和国大使館公使を交えてのトークショーや、エストニア政府観光局日本事務所による観光プレゼンテーションなどを行いました。 - エストニア共和国のアーティストによるコンサートの実施
平成29年(2017年)から令和元年(2019年)にかけて4回、エストニアのアーティストを佐久市にご招待して、コンサートを開催し、多くの市民の皆さまにエストニアの音楽に親しんでもらいました。 - 市内の児童がオリンピック選手をハガキで応援!
日本郵便株式会社「ホストタウン相手国・地域へお手紙を送ろう!」を活用し、市内小学校の2クラスがエストニアの選手に向けて応援のハガキを書きました。
英語に翻訳された手紙はエストニアの選手に届けられました!
ホストタウンの児童からの手紙が、今回の東京オリンピック・パラリンピックでのエストニア共和国の選手の活躍につながったのかもしれません! - ホストタウン(エストニア)給食の実施
市内の小中学校でエストニア料理を再現した給食が提供されました。
市内在住のエストニア出身のALT講師(外国語指導助手)の先生からアドバイスをいただきながら、メニューを決めました。
この給食を通じて児童・生徒にエストニアを身近に感じていただくことができました。
4 大会後を見据えた同国との今後の関係発展に向けた展望
現在、佐久市ではホストタウンの取組以外でもエストニア関連の話題が絶えません!
例えば、市内実業家の方より「エストニアに親しんでもらいたい、子どもが集まり一つになって歌を歌う演奏会などに使ってほしい」というご意向で、エストニアピアノファクトリー社製のグランドピアノを寄贈いただきました。
お披露目式にお招きしたエストニア共和国特命全権大使ヴァイノ・レイナルト閣下からは「エストニアのサク市と佐久市の友情にこのピアノが大きく貢献するでしょう」というお言葉をいただきました。
この市内でのエストニアブームを一過性としないように、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会のホストタウンのレガシーとしてもたらされた、エストニア共和国との交流、また、スポーツ、教育文化、共生社会等への市民の関心を大会終了後においても継続し、同国との更なる交流と異文化コミュニケーションを促進していきます。