グローカル外交ネット

令和2年8月19日

箕面市人権文化部文化国際室

 箕面市は、大阪府の北部に位置する、面積約48平方キロメートル、人口約13万9,000人の住宅都市です。
 箕面市には、2つの姉妹都市があり、その1つがニュージーランド・ハット市です。
 ハット市は、ニュージーランドの北島の南端に位置し、首都・ウェリントンから車で約25分のところにあります。大都市への通勤・通学者が多い住宅都市であること、山や川など自然が豊かであることなど、箕面市とハット市には共通点も多く、1995年の国際協力都市提携締結以降、両市の発展をめざし、互いに協力し合いながら、様々な分野での交流を続けています。

スカイプ交流

(写真1)とどろみの森学園の交流の様子 とどろみの森学園の交流の様子
(写真2)彩都の丘学園の交流の様子 彩都の丘学園の交流の様子

 ハット市との交流の1つに、ビデオ通話サービスを活用したスカイプ交流があります。
 ハット市と箕面市は、9,000キロメートル以上と距離的にはとても離れており、気軽に行き来することは難しいですが、時差がわずか3時間(サマータイム実施時は4時間)と、両市民がお互いの時間を気にすることなく、同じような時間帯に交流することができます。
 この利点を活かして、2014年から市内小中一貫校2校と本市の多文化共生・国際交流要点である多文化交流センターの計3か所に大型ディスプレイを設置し、交流の窓としてスカイプやMicrosft Teamsのテレビ会議システムで接続しています。(以下、「スカイプ交流」という。)
 設置している小中一貫校2校(とどろみの森学園、彩都の丘学園)及び多文化交流センターでは、交流方法が異なり、それぞれが工夫しながら行っています。

 とどろみの森学園では、何事にも興味を持ちやすく、かつ自然に違いを受け入れることができる年齢である3年生(8~9歳)が、モニターが設置されている英語教室や各教室で交流を行っています。とどろみの森学園の相手先であるエプニプライマリースクールの子どもたちの年齢も9歳~11歳であるため、異なる言葉でコミュニケーションを取ることよりも視覚的に「異文化」を楽しむことに重点を置いています。
 とどろみの森学園の子どもたちは、歌やリコーダーなどの音楽や、紙芝居やけん玉などの日本文化を披露したり、またハット市側から披露してもらったハカ(ニュージーランドの先住民であるマオリの伝統的な歌や踊り)を一緒に練習したりと、全身で「自分たちの文化」を表現・発信することをとても楽しんでいます。

 彩都の丘学園では、学年を限定することなく交流を行っており、休み時間を活用して誰でもが交流できる年もあれば、昨年のように、4~5年生(9~11歳)が英語の授業の一環として交流を行う年もあります。
 彩都の丘学園と交流を行っているトゥイグレンスクールの子どもたちも11~13歳と、言葉でのコミュニケーションを楽しむことができる年齢であるため、「ニュージーランドで流行っているゲームは何ですか」、「日本の学校ではお菓子を持っていって良いですか」といった簡単な質問を英語で出し合っています。予想していた答えと違うことが多く、その度に驚きの声が上がるほど、「自分の文化とは異なる」という大きな発見をすることができています。
 また、トゥイグレンスクールは、隔年ごとに彩都の丘学園を訪問するため、モニター越しで出会った子ども同士が実際に再会を果たすことができ、一度できた友情を途切れさせることなく、深めることができています。

 多文化交流センターでは、入口にモニターを設置し、ハット市の図書館と接続しています。誰でも気軽にハット市とつながることができるため、多文化交流センターを訪れた人たちが笑顔でハット市の人たちに手を振っている姿をしばしば見ることができます。また、(公財)箕面市国際交流協会と市民団体が中心となって月に1度、ハット市民とのスカイプ交流も行っています。毎月テーマを決めてディスカッションすることができ、お互いの文化や習慣についての知識を深めることができる良い機会となっています。

最後に

 新型コロナウイルスが世界中で猛威を振るう中、ニュージーランドのロックダウン、日本での外出自粛や学校の休校などで、今年度に入って、学校間スカイプ交流を行うことができていません。しかしながら、対面での交流が難しい今だからこそ、スカイプ交流の重要性や必要性を改めて認識することができました。モニター越しに、子どもたちが元気に挨拶し、笑顔いっぱいに手を振る姿をまた見ることができるよう、再開に向けて調整を続けています。

グローカル外交ネットへ戻る