グローカル外交ネット

令和3年11月18日
(写真1)マイクの前で話す男性
  1. 10月28日、外務省は、令和3年度地域の魅力発信セミナーを、三重県、奈良県橿原市、鹿児島市・奄美市・屋久島町、一般社団法人淡路島観光協会との共催で、オンラインにて開催し、駐日外交団を中心に、約150名が参加しました。
     新型コロナウイルスの影響により、今回は、二部構成のオンライン開催としましたが、参加自治体から趣向を凝らしたプレゼンテーションが行われ、事前に配布した各地域の特産品等を実際に手に取り、体感しながら参加することで、参加者が地域の魅力をより身近に感じられるよう工夫を行いました。
(写真2)奈良県橿原市のプレゼンテーションの様子(相撲)
(写真3)三重県のプレゼンテーションの様子(伊勢海老や松坂牛など食のPR)
  1. 第一部 プレゼンテーション
     奈良県橿原市は、日本酒(Sake)、相撲(Sumo)、神社(Shrine)、桜(Sakura)の4つのSを切口として、奈良県中南和地方をPRしました。酒神として知られる大神神社、相撲発祥の地である葛城市、初代天皇といわれる神武天皇を祀る橿原神宮、そして吉野の桜など多数の魅力が紹介されました。
     鹿児島市・奄美市・屋久島町は、自然と文化の観点からその魅力を存分に紹介しました。特に自然が強調され、2021年に世界自然遺産に登録された、奄美大島の目を奪われるような美しさの原始マングローブ林や、神秘的で豊かな固有種・希少種が生息する屋久島の魅力がPRされました。
     三重県は、世界遺産である熊野古道の「伊勢路」に関連した多岐にわたる有形無形の魅力を紹介しました。伊勢神宮や馬越(まごせ)峠など伊勢路に深く関係した名所の歴史、文化、自然が紹介されるとともに、伊勢海老や松坂牛といった豊かな食がPRされました。
     一般社団法人淡路島観光協会は、「鳴門海峡の渦潮」をテーマに、その歴史・文化や自然環境について、科学的根拠をもとに渦潮の奥深さをPRしました。また、地元住民団体や海外(ノルウェーなど)と連携した世界遺産登録を目指す活動が紹介されました。
(写真4)鹿児島市・奄美市・屋久島町のプレゼンテーションの様子(奄美大島)
(写真5)一般社団法人淡路島観光協会のプレゼンテーションの様子(線香の紹介)
  1. 第二部 事前配布物を活用した、さらなる魅力紹介プレゼンテーション
     第二部のプレゼンテーションでは、事前に配布した特産品等も活用して、各自治体が地域のさらなる魅力を紹介しました。
     奈良県橿原市は、特産物である柿をPRしました。都道府県別の生産量で2位の奈良県には、市町村別の生産量で1位の五條市があり、五條市の西吉野町は「柿の里」として親しまれています。プレゼンテーションの中で、事前に配布された柿最中や柿茶が紹介され、参加者は実際に賞味しながら、その魅力を体験できる内容でした。
     鹿児島市・奄美市・屋久島町は、「近代日本を発展に導いた」と題して、鹿児島市の文化・歴史を強調し、鎌倉時代から江戸時代まで南九州を統治し続けてきた島津家の歴史と、鹿児島の発展が明冶産業革命期の日本の発展に大きく貢献してきた点を紹介しました。また、参加者に事前に送付した特産品の緑茶や、活火山桜島の自然、豊かな海の幸、天然温泉等の観光地としての魅力もPRされました。
     三重県は、第一部を踏まえ、伊勢神宮から熊野速玉大社に向かう2泊3日の具体的なモデルコースを紹介しました。1日目は伊勢神宮の「おかげ横丁」等、2日目は自然が作り出す大小多数の岩で構成された「鬼ヶ城」等、3日目は斜面に広がる壮大な棚田である「丸山千枚田」等をめぐるツアーを示し、外交団等に対して具体的な提案がなされ、訪問意欲を掻き立てるプレゼンテーションでした。
     一般社団法人淡路島観光協会は、日本一の線香の生産地である淡路島の香りの文化について紹介しました。事前配布した線香の使用方法を実演し、参加者にも同時に線香に火をつけることを促し、170年前から続く線香の歴史を香りとともに体験してもらえるような内容でした。
  1. 今回のセミナーが、外交団を含む参加者に日本の各地域に対する理解を深めて頂くきっかけとなり、各国と各地域の交流の発展につながることを期待します。

[参考]この事業は平成20年度から毎年度複数回行っており、今回が27回目。昨年度は新型コロナウイルスの影響により開催を見送ったため、今回2年ぶりの開催となった。

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