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令和元年度地域の魅力発信セミナーの開催(結果)
令和元年6月4日


- 6月4日,外務省は,令和元年度地域の魅力発信セミナーを,埼玉県秩父市,大阪府堺市,京都府京丹後市,富山県立山町と合同で,ホテル椿山荘東京において開催し,駐日外交団,在日商工会議所,内外マスコミ関係者等を含む約150名が参加しました。
- 第一部 プレゼンテーション
秩父市は,市長の挨拶を皮切りに,350年続くユネスコ無形文化遺産の「秩父夜祭」を紹介,東京から80分の一大観光地のPRを行いました。
堺市はユネスコ世界文化遺産登録を目前に控えた百舌鳥古墳群と仁徳天皇陵の壮大さを,大人気キャラクターの「はにわ課長」とともにPRしました。
京丹後市は,喧噪から離れた「海の京都」の魅力と磨き上げた伝統に新たな技法を加えた丹後ちりめんについて説明しました。
年間100万人の観光客を集める「立山黒部アルペンルート」を有する立山町は,その歴史やかつての信仰,神秘的な美しさを紹介しました。


- 第二部 交流会
京丹後市は,華やかな丹後ちりめんの振り袖を纏った「丹後きものクィーン」が,300年前に誕生した「シボ」の技法と,貝殻の真珠層を糸状に織り込む新たな技法を紹介し,視覚,触覚に訴えました。ブースでは,京都の中心から離れ日本の原風景を遺す自然あふれる風土から生まれる,京丹後ならではの食材を,新進気鋭の料理人が創作料理として仕上げた,見た目にも美しい「たんちょす」(丹後のピンチョス)が振る舞われました。
秩父市は,毎年12月に開催される「秩父夜祭」の迫力の「秩父屋台囃子」を実演,参加者のお祭り気分を一気に盛り上げました。この祭りは,秩父地域で盛んだった絹織物の1年の取引の最後を飾る行事として発展した歴史があり,ブースでは大胆で華やかな秩父銘仙の羽織を纏っての記念写真を撮影するコーナーも設けられました。また,面積の87%が森林の秩父市は,豊かな森で生育するカエデから採取したメープルシロップを使った和菓子や,世界的にも有名な幻のウイスキー「Ichiro’s Malt」等を振る舞いました。
堺市ブースでは,仁徳天皇陵を上空300メートルから360度眺めることのできるVR体験が用意され,参加者は圧巻の景色を堪能しました。また,世界遺産登録を機に堺に来訪する観光客に是非体験していただきたいものの一端として,千利休の生誕地として受け継がれる茶の湯の文化を紹介したほか,ポルトガル伝来の鉄砲作りが発展し,確かな技術で生まれた高品質な「包丁」の研ぎ技術が披露されました。ステージでは,カラフルで様々な図柄が施された伝統産業「注染手ぬぐい」のアレンジ活用法が実演されました。
立山町は,「山」以外の魅力を中心に紹介しました。まず,ステージ上で地元和紙職人が空中に浮かぶ世界一薄い和紙を紹介すると,その繊細な技術を間近で見ようと多くの参加者が立山町ブースを訪れました。芦峅寺(あしくらじ)周辺は立山の歴史と精神の中心として長く知られますが,ブースでは地元立山の和紙と墨を使い,芦峅寺が守り伝える護符(お守り)を制作する体験に多くの参加者が挑戦し,オリジナルの護符を持ち帰りました。その他ますの寿司や,立山で収穫した里芋を材料とする立山コロッケなども提供され賑わいを見せました。
- このセミナーにおいて各地域の魅力を多くの参加者に伝え,外交団等の各地域に関する理解や,地方自治体と外交団をはじめとする外国関連団体関係者等とのネットワーク作りが促進されました。
[参考]この事業は平成20年度から毎年度複数回行っており,今回が26回目。