平成18年6月9日
(1)5月31日から6月1日まで国連エイズ特別総会の包括的レビュー会議、6月2日にハイレベル会議が、それぞれニューヨークの国連本部にて開催され、ハイレベル会議において「HIV/エイズに関する政治宣言」が採択された。日本からは森喜朗前総理大臣を政府首席代表とする政府代表団が参加した。
(2)森政府首席代表はハイレベル会議において、世界のHIV/エイズ対策に対する支援継続の決意等を表明する演説を行った。また、同政府首席代表はこの機会を利用して、アナン国連事務総長、エリアソン総会議長、世界エイズ・結核・マラリア対策基金のフィーチャム事務局長及びジェイコブス理事会議長、バークレー国際エイズ・ワクチン推進構想(IAVI)代表ほかとそれぞれ会談した。
(3)今回採択された政治宣言は、2001年国連エイズ特別総会の「HIV/エイズに関する誓約宣言」採択から5年間における世界各地のHIV/エイズ対策と対策の実施にあたっての障害(資金と人材の不足、偏見・差別、女性・子供への対応不備等)を総括している。また、ミレニアム開発目標、上記誓約宣言、2005年世界首脳会議成果文書などに盛り込まれた各種目標の達成に向け、従来の障害を克服する具体的対策をも盛り込んだ新たな政治的決意を表明している。
(1)今回のハイレベル会議には、2001年国連エイズ特別総会に引き続き森前総理大臣という高いレベルの政府首席代表が参加し、午前中に総会会議場で行われた演説(政府の長のみ。閣僚クラスについては、全参加国が2グループに分かれて別室に移った)の最終演説者としてスピーチを行い、日本として大きなプレゼンスを示すことができた。特に、ハイレベル会議の最後にエリアソン総会議長は森首席代表の演説を引用し、ラグビーの「One for all, all for one」の精神が重要であり、世界の連携を呼び掛けたことが言及された。
(2)6月2日朝3時まで続いた政治宣言に関する交渉に、日本政府は日本の市民社会とともに積極的に関与し、その取りまとめに大きく貢献したことが関係各方面から高く評価された。また、政治宣言において、日本が従来より主張している予防の重要性と包括的な対応の必要性が強調されたことも、大きな成果であった。
(3)今回の政府代表団にはNGO等から5名の方々が顧問の資格で参加した。政府としては、市民社会との対話を継続しながら今回の会議に臨み、官民パートナーシップを促進することができた。