国際保健

【第6章】グローバルファンドの実績

平成28年1月15日

 グローバルファンドは、2002年の設立以来2015年末までに、累積で総額約289億ドルを供与してきました。主な資金の用途は、治療薬・医療品の購入や医療従業者の訓練などです。支援対象国には、現在三大感染症によって甚大な被害を受けている国もあれば、将来その危険をはらむ国もあります。

 三大感染症対策のための国際的な支援のうち、グローバルファンドの支援が占める割合は、エイズが20%、結核が75%、マラリアが67%となっています。疾病別では支援の約50%がエイズ対策に充てられ、地域別では約60%がアフリカ向けとなっています。

 また、グローバルファンドは、三大感染症対策を実施するにあたり、保健システム強化を含めた総合的な保健の取組も支援しています。これまでにグローバルファンドが行った支援には、人材育成や設備強化、調達制度の構築、モニタリング・評価体制の整備等、保健システム強化に資する支援が含まれます。

 グローバルファンドでは、2008年以降、ジェンダーや性的マイノリティの保護に特に配慮することが決定され、支援対象国は案件の企画立案や実施においてこうした観点からの取組を積極的に採用することを求められています。

 グローバルファンドの支援により、2015年末までに以下のような実績(累積)が報告され、累積1700万人以上の命が救われたと推計されています。

HIV/エイズ対策

 810万人に対する抗レトロウィルス薬治療の実施

結核対策

 1320万人への直接監視下短期化学療法(DOTS:Directly Observed Treatment, Short-course)治療の実施

マラリア対策

 5億4,800万張りの殺虫剤浸漬蚊帳(Insecticide Treated Nets:ITNs)の配布

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