1.日程・場所
4月26~27日,EU本部(於:ブラッセル)
2.参加国等
- (1)17カ国(日本,米国,英国,フランス,ドイツ,イタリア,カナダ,ロシア,中国,インド,韓国,豪州,メキシコ,南アフリカ,インドネシア,ブラジル,ポーランド)およびEU(現議長国ハンガリーおよびEC),国連が参加し,デンマーク,エジプト,モルディブ,ニュージーランド,シンガポール,スペイン,アラブ首長国連合がオブザーバーとして出席。(我が国からは,平松外務省地球規模課題審議官ほかが出席。)
- (2)共同議長はコニー・ヘデゴー気候行動担当欧州委員およびマイク・フローマン米国家安全保障次席補佐官。二日目は,ナタナエル・コーヘン米大統領特別補佐官が議長代理を務めた。
3.議論の概要
(1)ダーバンに向けた成果
COP17に向けてカンクン合意の実施の重要性を確認。現実的な成果を重視しつつ,ある程度野心的なバランスのとれたパッケージを目指すべきこと,アフリカで開催されるCOPとして意義のあるものとすべきとの点については,広く認識が共有された。他方,目指すべき成果の具体的内容については,今後意見の収斂を図っていく必要がある。緩和行動のリストと前提条件を理解する上で,緩和ワークショップが有用であることにつき,複数の国から指摘があった。同時に,透明性,技術メカニズム,適用の重要性についても確認された。
(2)ダーバンに向けた作業迅速化(作業マトリクスの作成)
COP17まで時間が限られている中,作業が進んでいないことに多くの国が懸念を示し,現・次期議長国への期待と協力が表明された。我が国より,今後の会合開催予定等を入れたマトリクスを作成して作業工程を管理してはどうかと提案したところ,多くの国が賛同し,ボン会合までに南アフリカが墨と協力して作成することとなった。南アフリカはダーバン成功に向けたMEFの役割に期待を表明。
(3)資金
資金については,意味のある緩和行動と表裏一体であるべき旨,短期資金の配分について透明性確保が重要であることが多くの出席者から指摘された。また,長期資金について,革新的資金調達や民間資金の活用も含め,すべての財源を動員する必要があるとの指摘が複数の出席者から出された。
(4)今後の法的枠組
今次会合では,京都議定書の将来に関する議論も行われた。また,法的オプションに関する議論も行われ,過度に単純化された二元論的な議論は通用せず,より現実に応じた議論が必要であるとの意見も多かった。我が国は,公平な包括的で実効性のある法的拘束力のある枠組みが必要であり,京都議定書の第二約束期間について受け入れられないとの我が国の立場に変更がないとの確固とした姿勢を示しつつ,漸進的,包括的で行動志向型のアプローチを提案し,将来の法的枠組みの議論,カンクン合意の誠実な履行,途上国への支援等については建設的に取り組む姿勢を示した。