1.日程・場所
9月20日,21日,於ニューヨーク
2.参加国等
- (1) 日本,米国,中国,ロシア,印,独,加,英,伊,韓国,仏,メキシコ,豪,南ア,インドネシア,ブラジル,EU(現議長国ベルギー及びEC)及び国連が参加し,デンマーク(気候変動枠組条約第15回締約国会議(COP15)議長国),スペイン,バルバドス,エジプト,シンガポール及びムカハナナ=サンガウェAWG-LCA議長がオブザーバーとして出席(我が国よりは杉山外務省地球規模課題審議官等が出席した)。
- (2) リーフシュナイダー米国務省次官補代理が議長を務めた。
- (3) COP16議長であるエスピノサ墨外務大臣が冒頭出席し,多国間システムの信頼性のためにもカンクンで成果を出すことは重要であり,すべてにつき合意することは不可能であるとの認識を示した上で,バランスのとれた決定に合意することを求めた。
3.議論の概要
- (1) 今次会合では,カンクンにおけるCOP16まで,及び,その後の交渉の進め方につき,COP16で最低限達成すべきこと,また,そのために,天津における特別作業部会会合(AWG)を含め,COP16までにやっておくべきこと,京都議定書の扱いをどうするか,また,衡平性等について話し合われた。個別事項についてはREDD+,資金,技術及び適応について議論された。
- (2) カンクンで成果を得ることの重要性,及び交渉の進捗への懸念が多くの参加国から表明された。交渉の主要論点(適応,技術,緩和/REDD+,測定・報告及び検証/国際的協議及び分析(MRV/ICA),資金,技術)における相当程度の進捗を踏まえた「バランスのとれたCOP決定のパッケージ」を目指すことへの支持が表明されたが,その具体的意味するところについては様々な意見が出された。
- (3) 京都議定書(KP)については,種々オプションが示されたが,意見は分かれ,KPが「ルールに則ったアプローチ」であるとしてKPの継続を強く求める発言,第2約束期間には合意できないとの発言,及び主要経済国の参加等の一定の条件が充たされれば継続を認めるとの発言がなされた。
- (4) 他の多国間フォーラムやREDD+パートナーシップでプルリラテラルなアプローチが採られていることを想起し,そのようなアプローチのマルチラテラルな合意の下での実施や,多国間交渉への流し込みを行う可能性が指摘され,検討の継続について前向きの感触が得られた。
- (5) カンクン後の取り進め方については,多くの参加国が,既存のマンデートで十分であるとし,特に,新たなマンデートを交渉すればカンクンで多大な交渉時間を費やするとの理由が指摘されたが,個々の決定にフォローアップの要素を含むのも一案であるとされた。
- (6) 日本政府は,これまで同様,すべての主要国が参加する公平で実効的な枠組みを構築するため,CAを踏まえて,新しい一つの包括的な法的文書の採択を目指すべきとの立場で議論に積極的に参加した。また,短期資金の重要性についても引き続き指摘し,日本の150億ドルの短期支援策を着実に実施していること,また,10月26日に名古屋で開催する森林保全と気候変動に関する閣僚級会合を主催し,COP16へ向けての力強いモメンタム提供のみならず,2012年へ向けての作業について合意を目指す旨紹介した。