
気候変動、クリーンエネルギー及び持続可能な開発に関する
第4回閣僚級対話(グレンイーグルズ対話)
議長サマリー概要(仮訳)
平成20年3月14日-16日
(英語版はこちら)
- 気候変動、クリーンエネルギー、持続可能な開発に関する対話は、2005年のグレンイーグルズサミットにおいて立ち上げられた。第1回会合は2005年10月及び11月にロンドンで、第2回会合は2006年10月にモンテレーで、第3回会合は2007年9月にベルリンで開催された。
- 過去の対話において、IEAや世銀のインプットを得つつ、以下のような点が共有されている。
- 技術開発と既存の技術普及の重要性。先進国と途上国、官民の連携の必要性。
- 将来の投資拡大の必要性。民間投資を活性化させるため、明確で信頼できる方法で幅広い政策措置を実行する必要性。
- 持続可能な開発と気候変動に同時に対処する必要性。適応と森林減少への対応の重要性。
- 本対話は将来枠組みに関するUNFCCCのプロセスに対する有効かつ補完的なインプットとなることを確認した。
- 過去2年間の議論を総括し、G8北海道洞爺湖サミットに向けた報告を準備するため、第4回会合は、2008年3月14日から16日にかけて、千葉県で開かれ、技術、資金、将来枠組み等に焦点を当てた議論が行われた。
- 本対話において議論された内容は以下のとおり。
【技術】
- 省エネ、クリーンエネルギー
- 省エネの重要性を確認。
- 技術普及、移転の必要性を強調。
- キャパシティビルディングの重要性を認識。知的財産権の役割について議論。
- 原子力エネルギーのオプションを選択した国からは、原子力エネルギーの排出削減への有効性を指摘。他方で選択しない国からは、安全性への懸念を指摘。
- 再生可能エネルギーの重要性を指摘。
- 革新的技術
- 革新的技術開発に関する国際的イニシアティブの情報交換。
- 技術の研究、開発及び普及に関する国際連携の拡大とロードマップをシェアする必要性を共有。
- CCSの重要性を強調。
- セクター別アプローチ
- APP等のセクター別アプローチに関する経験の提供。
- セクター別アプローチの有効性について議論。共通の理解を得るべく引き続き議論を深めていくことの必要性を認識。
- セクター別アプローチの文脈において、共通だが差異ある責任及び各国の能力の原則を強調。
- IEAの役割
- IEAの作業を評価。今度の課題(データ収集等)の指摘。
- 民間企業による活動
- セクターベースの活動に関する民間のイニシアティブを評価。
【資金及び投資】
- 国際的資金メカニズム
- 世銀や地域開発銀行の作業を評価。これらの取組の拡大を奨励。
- 日英米による世銀と連携した新たな多国間基金創設の提案を評価。
- 基金のガバナンスに関する意見の交換。
- 重複を避けるため既存及び新規の様々な資金の連携を認識。
- 最も脆弱な国に対する適応の優先的な支援の認識。
- 新たな資金メカニズムを探求することの重要性を指摘。
- メキシコによる多国間基金の提案を認識。
- CDMの改善と拡大の必要性の認識。
- 緩和と適応を開発政策において主流化することの重要性を認識。
- 資金支援において、コベネフィットを最大化することの重要性を認識。
- 森林減少、森林退化を防止するためのインセンティブの必要性を再確認。
- 民間投資の拡大
- 民間投資の拡大と政府の役割の重要性を確認。
- 炭素市場と民間投資との関係性について議論。
【2013年以降の枠組み】
- 長期目標
- 長期目標の共有の重要性。
- 持続的な低炭素社会への移行の必要性に関する認識を共有。
- 民間に対して信頼できるシグナルとなる長期的な政策を示すことの必要性の指摘。
- 中期目標
- 「共通だが差異のある責任と各々の能力」の原則を議論の前提として再確認。
- 1992年から2008年までの世界の状況の変化を念頭におくことの必要性を認識。
- 持続可能な開発と実効的な排出削減を実現するための公平性を確保する必要性を認識。
- セクター別アプローチは国別総量目標を代替するものではないとの理解の下、具体的な議論を続けていく必要性を共有。
- 世界全体での行動
- 先進国は、比較可能性を確保しつつ、率先して排出削減に取り組むことを指摘。
- 途上国は、先進国の支援を受けつつ、測定・報告・検証可能な削減行動を実施することを認識。
- 適応も緩和と同様に重要であり、それらを実施する手段として、技術と資金が重要であることを共有。
- 本対話の参加国が排出削減に果たす独自の役割を認識。
- 炭素市場の役割の重要性の指摘。
- 森林減少、森林退化を防止するための対抗策の重要性を認識。
- コペンハーゲン(COP15)に向けて
- バリ・アクションプラン合意への貢献といったG20プロセスのこれまでの活動成果を高く評価。条約の下でのAWGにおける議論への有益な貢献を期待。
- コペンハーゲンでの成果に向けた貢献としての、本対話やこのような他の対話の価値を強調。