地球環境

東アジア低炭素成長パートナーシップ対話(概要)

平成24年4月16日

 15日,我が国とインドネシアとの共同議長により,東アジア低炭素成長パートナーシップ対話が東京で開催されたところ,概要以下のとおり。

1.出席者

 ウィトラール・インドネシア大統領気候変動特使兼国家気候変動評議会執行議長(共同議長),解振華中国国家発展改革委員会副主任,ベドリツキー露大統領顧問,ヤン・スギル韓国緑色成長委員会委員長,ピーター・チン・マレーシアエネルギー・環境技術・水大臣,バラクリシュナン・シンガポール環境・水資源大臣,ヤスミン・ブルネイ首相府エネルギー大臣,パデランガ・フィリピン国家経済開発庁長官,ドレイファス豪気候変動省政務次官,パーシング米気候変動副特使,グリンスパンUNDP副総裁ほか,東アジア首脳会議(EAS)18か国政府関係者(閣僚級)及び国際機関(アジア開発銀行(ADB),東南アジア諸国連合(ASEAN),国連アジア太平洋経済社会委員会(ESCAP),経済協力開発機構(OECD),国連工業開発機関(UNIDO),世界銀行)の代表が出席。

 我が国からは,野田総理大臣(冒頭挨拶),玄葉外務大臣(共同議長),細野環境大臣,山根外務副大臣,北神経済産業大臣政務官,田中JICA理事長,渡辺JBIC副総裁が出席。

2.会合の意義

  1. (1)我が国が提唱する「世界低炭素ビジョン」の一環として,初めて開催。世界の成長センターであると同時に,世界最大の温室効果ガス排出地域であるEAS地域において,低炭素成長実現に向けた地域協力を進める重要な機会となった。
  2. (2)野田総理大臣による冒頭挨拶,玄葉外務大臣のキーノートスピーチを通じ,低炭素成長の重要性,及びその実現に向けた我が国の決意について訴えた。細野環境大臣,山根外務副大臣,北神経済産業大臣政務官からも我が国の具体的な取組等に関する発言を行い,参加各国・機関の間で活発な議論が行われた。特に,我が国が提唱する二国間オフセット・クレジット制度については,複数の国から支持が表明された。また,昼食会場では,我が国民間企業の低炭素技術や地方自治体の取組につき展示・紹介を行った。
  3. (3)この他,サイドイベントとして,二国間オフセット・クレジット制度や東アジア低炭素成長ナレッジ・プラットフォームに関するワークショップ(14日),国連地球の持続可能性に関するハイレベル・パネル(GSP)による公開シンポジウム(16日)が開催された。

3.議論の概要

  1. (1)低炭素成長は,将来に向け,持続可能な経済成長を実現する鍵であり,以下の三点の柱に沿って協力を進めていくことで一致した。
    1. ア 各国がそれぞれの低炭素成長戦略を策定,実施することが重要であり,特に発展途上国による低炭素成長に向けた努力を支援するために,地域内で資金,人的,知的資源を動員すべき。
    2. イ 低炭素成長実現の上では,技術の役割が重要。先進国は技術革新を主導し,発展途上国における低炭素技術の発展を促進していく必要がある。また,優れた低炭素技術と製品の普及には,市場の活用も効果的な方法の一つ。
    3. ウ 政府,地方自治体,国際機関,大学,研究機関,民間企業,NGOといった様々なステークホルダーが協働することが重要。低炭素成長と適応に関連した知見,経験を共有し,政策形成過程にインプットする,開放的,多層的で柔軟なネットワークとして,「東アジア低炭素成長ナレッジ・プラットフォーム」を構築。
  2. (2)本年の東アジア首脳会議及びEAS関係閣僚会合に対し,本会合での議論のサマリーを共同議長が報告し,明年の適切な時期に,日本とカンボジアの共同議長で第二回会合を実施することで一致した。
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