地球環境

COP18における内外プレス記者会見

平成24年11月27日

 11月27日(火曜日),国連気候変動枠組条約第18回締約国会議(COP18)において,当地出張中の堀江大使が内外記者会見を行ったところ,概要以下のとおり。(南外務省参事官,赤石経産省審議官,三好環境省審議官同席。)

1 ブリーフィング

(堀江大使より,配布した日本政府パンフレット(Japan's initiative to address climate change issues)(PDF)に沿って,日本の取組として,特に以下を強調して説明。)
 日本は,昨年のCOP17において発表した「世界低炭素成長ビジョン」に基づき,実質的な取組を進めてきた。
 短期支援(FSF)については,鳩山イニシアティブとして150億ドルをコミットしたが,本年10月末時点で約174億ドルを実施。日本としては,3.11の震災・津波が起きた以降も,排出削減等の気候変動対策に取り組む途上国に対し着実に支援を実施している。なお,174億ドルは公的・民間資金を合わせた数字であり,そのうち138億ドルは公的資金,36億ドルが民間資金である。
 二国間オフセットメカニズムについては,京都議定書の下のCDMを補完するものであり,2013年度の制度運用開始を目指している。これまで,2010年以降31の国で191のフィージビリティスタディを実施している。
 低炭素成長に向けた地域協力については,世界全体の63%の排出量を占め,世界経済の成長センターである東アジアにおいて低炭素成長を推進するため,東アジア低炭素成長パートナーシップ対話を本年4月に実施。また,アフリカについては,2013年6月のTICAD Vを開催予定であり,現在,「TICAD低炭素成長・気候変動に強靱な開発戦略」の策定作業を行っている。

2 質疑応答

(質問)日本はなぜCP2に参加しないのか。また,2013年以降の3年間の資金について,プレッジを行わないのか。

(回答)現行の京都議定書で排出削減義務を負っている国の排出量は世界全体の26%のみ。日本は,この枠組みを続けるのではなく,全ての国が参加する公平かつ実効性のある新たな法的枠組みを構築するべきであると主張してきたが,それ故に一昨年のCOP16において,CP2に参加しないことを明確にした。ただし,京都議定書のメンバー国ではあり続ける。また,2013年以降の資金については,日本は切れ目なく支援を継続していく。なお,日本はリオ+20で,再生可能エネルギー分野30億ドル,防災分野30億ドルの支援,グリーン経済移行に向けた人材育成のための緑の協力隊10,000人の編成を表明した。

(質問)これまでの日本の排出削減目標の達成状況及び今後の目標はどうなっているか。

(回答)CP1において,日本は2008~2012年の期間において1990年比6%削減をコミットしており,最初の3年間の平均で,1990年比10.9%削減を達成している。2011,2012年のデータは集計中である。日本としては,2013年以降もさらに排出削減の取組を継続していく。また,日本の産業界は自主的な取組として2010年に1990年比13%減を達成しており,2013年以降も自主的な活動を継続していくことを発表している。

(質問)2020年の排出削減目標はどうなっているか。

(回答)2020年の中期排出削減目標については,今年9月に決定した革新的エネルギー・環境戦略において,政府は今年末までに2013年以降の地球温暖化対策の計画を策定すると記載されており,その策定に向けた検討と,国際交渉に与える影響等にも留意しつつ検討することとなっている。



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