地球環境

the Acid Deposition Monitoring Network in East Asia:EANET

令和8年3月31日

1 EANET設立の経緯

(1)酸性雨は、国際的な関心を集めている環境問題の一つであり原因物質の発生源から数千キロも離れた地域にも沈着する性質を有する広域的な現象であり、特に、欧米においては、湖沼や森林等の生態系、遺跡・建造物等への影響が顕在化し、1979年には「長距離越境大気汚染条約(ECE条約)」が採択されている。

(2)東アジア地域は、世界の三分の一を超える人口を抱え、近年著しい経済発展を遂げていることに伴い、大気汚染、さらには酸性雨の問題に直面している。特に、国内のエネルギー事情から石炭に依存せざるを得ない国も多く、硫黄酸化物や窒素酸化物の排出量が顕著に増加しており、事態は深刻になっている。こうした事情を踏まえ、東アジア地域において、酸性雨による影響の防止を目的として、地域協同の取組を推進することが課題となっている。

(3)このため、東アジア地域における酸性雨の現状の把握やその影響の解明に向けた地域協力の体制を構築することを目的として、1998年に東アジア酸性雨モニタリングネットワーク(EANET)が試験的に稼働。2001年1月より本格稼働を開始。

2 参加国

 カンボジア、中国、インドネシア、日本、ラオス、マレーシア、モンゴル、フィリピン、韓国、ロシア、タイ、ベトナム、ミャンマーの計13か国。

3 活動目的及び内容

 (1)活動目的

  • 東アジア地域における酸性雨問題の状況に関する共通理解の形成促進
  • 酸性雨防止対策に向けた政策決定に当たっての基礎情報の提供
  • 東アジア地域における酸性雨問題に関する国際協力の推進

 (2)活動目的

  • 共通の手法を用いた酸性雨モニタリングの実施
  • データの収集、評価、保管及び提供
  • 精度保証・精度管理(QA/QC)活動の推進
  • 参加国への技術支援と研修プログラムの実施
  • 酸性雨に関連した調査研究活動の推進
  • 普及啓発活動の推進
  • 関係国際機関との情報交換

4 ガバナンス

 (1)EANET事務局
 国連環境計画アジア太平洋事務所(UNEP ROAP)にて活動。(所在地:バンコク国連会議センター内。2015年5月~。)
 (注)以前は、UNEP・アジア太平洋地域資源センター(RRC.AP)(所在地:タイ)がEANET事務局に指定されていたが、同センターはアジア工科大学(AIT)の一部であると整理された。

 (2)ネットワーク・センター(NC)
 (一財)「日本環境衛生センター・アジア大気汚染研究センター」(旧「(財)日本環境衛生センター・酸性雨研究センター」)(所在地:新潟市)がEANETの活動の技術的拠点であるネットワーク・センター(NC)に指定されている。

 (3)政府間会合
 2001年から本格稼働し、2025年までに27回の政府間会合が開催されている。

 (4)科学諮問委員会(Scientific Advisory Committee: SAC
 EANET参加国が指名するメンバー(科学者)によって構成され、モニタリングガイドラインや精度保障・精度管理(QA/QC)プログラムの採択、データ収集等に関する助言、東アジアの酸性雨の状況報告書の準備等を、科学的側面から行っている。


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