(英文(PDF))
我が国は,2010年12月に日本原子力研究開発機構(JAEA)の下に核不拡散・核セキュリティ総合支援センター(ISCN)を設立した。核物質防護研修フィールドやバーチャル・リアリティ訓練システムを備えたこのセンターにおいて,我が国は人材育成プログラムを通じて国際的な核セキュリティ向上に貢献してきている。2012年3月14日現在,ISCNは,IAEA等の関係諸機関と協力して,計約250名の研修生に対し, 核不拡散・核セキュリティに関わる規制の導入及び原子力関連の技術開発に関する11のトレーニング事業を実施してきた。
我が国は,米国と協同して,より正確で厳密な核物質の検知・鑑識能力に関する技術開発を行い,これを国際社会と共有することによって,国際社会の取組に貢献するという観点から核テロリズムに対抗するための国際社会の取組を補完する二国間の協力ネットワークを構築している。
核セキュリティ及び原子力安全の強化におけるIAEAの中心的な役割を踏まえ,我が国は,カザフスタンにおける核物質防護強化事業及び核セキュリティ関連事業を支援するためのIAEAへの任意の拠出を通じて,計610万ドルを拠出し,前回サミットでの約束を履行した。我が国は,核セキュリティ基金に引き続き拠出し,研修やワークショップを通じ,核物質及び原子力施設の防護に関する核セキュリティ勧告(INFCIRC/225/Rev.5)の実施に関するベストプラクティスを共有していく。さらに,緊急時対応援助ネットワーク(RANET)の強化も提案している。
我が国は,核セキュリティに携わる実務家,専門家,事業者間でベストプラクティスを共有し,認識を高めるため,2010年9月及び2012年3月の二度にわたりWINSによる国際会議を我が国で開催した。
我が国は,核セキュリティ分野におけるロシア及びウクライナでのG8グローバル・パートナーシップ関連の事業に参加してきている。更に,国際協力機構(JICA)を通じ,核セキュリティに関する人材育成プログラムを実施してきている。
国連安保理決議第1540号の履行を促進するため,我が国は,様々な技術協力事業を通じ,輸出管理等の分野におけるキャパシティ・ビルディングのための支援を提供してきている。我が国は,オリジナル・メンバーとして,2006年の設立以来,核テロリズムに対抗するためのグローバル・イニシアティブ(GICNT)の活動に参加してきている。
我が国は,国内にある核物質及び原子力施設のセキュリティを向上させるための措置を取ってきている。我が国は,武装治安要員の増強,防護施設の強化及び施設巡視の強化や巡視船艇・航空機による対応能力強化を推進しており,核セキュリティを強化している。また,我が国は,核物質及び原子力施設の防護に関する核セキュリティ勧告(INFCIRC/225/Rev.5)に沿って,原子力施設における中央警報ステーションの冗長性及び立ち入り制限区域のとり入れ,サイバーセキュリティ対策等の改善を行っている。
緊急事態に際し即時に対応できるよう,我が国は,警察,規制当局及び事業者との間で共同訓練を実施し,緊急時組織とセキュリティ機関のインターフェースの妥当性を継続的に評価・検証し,同評価・検証の成果に基づいた結果改善を行っている。また,我が国は,過酷な状況下でも効果的な対応ができるよう施設や装備を改良及び拡張してきている。我が国は,脆弱な施設の防護措置を強化し,緊急事態への対応を強化するため非常用電源設備を増強している。
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