軍縮・不拡散

原子力供給国グループ(NSG)ブダペスト総会
(概要)

平成21年6月

 6月11~12日、ブダペストにて開催された原子力供給国グループ(NSG)総会の概要は以下のとおり((注)NSG参加国は46か国で欧州委員会がオブザーバー参加)。

1.新議長の選出

 ハンガリーが新議長国として選出された(新議長はザナシー同国在ウィーン代表部大使)。ハンガリー政府を代表して、サボー外務次官より開会の挨拶がなされた。その中で、同次官より、ハンガリーは、核兵器の拡散を防ぎ、核テロ防止に貢献しつつ、平和的目的のための原子力関連の貿易・協力を促進することにより、非差別的で透明な方法でNPTの運用検討プロセスの成功に貢献するため、ブダペスト総会により与えられた任務を積極的に実施していく旨述べた。

2.アイスランドの新規参加

アイスランドが46か国目の参加国として承認された。

3.今次総会内容

(1)NSGは、NPTへの確固たる支持を表明し、2010年NPT運用検討会議第三回準備委員会の結果を歓迎した。

(2)NSGは、現行の拡散上の挑戦について情報交換及び分析を行った。

(3)NSGの権限の枠内で、2009年5月25日に北朝鮮により実施された核実験及びイランの核計画の拡散上の影響について議論した。NSGは、朝鮮半島の非核化及びイランの核問題の平和的方法での解決に向けた、外交努力に対する長年の支持を繰り返した。

(4)NSGは、全ての国に対し、いかなる貨物及び技術の輸出も核兵器計画に寄与することがないよう最大限警戒し及び最大限努力するよう呼びかけるとともに、濃縮関連汎用品の輸出規制の見直しを強化する方法と手段について議論した。

(5)核燃料サイクルの機微な側面に関連する拡散懸念と増大する原子力エネルギー需要とのバランスをとることの必要性につき留意しつつ、NSGは、濃縮及び再処理に関する技術、資機材及び施設の移転を扱うNSGガイドラインを強化するための作業を引き続き継続していくことに合意した。

(6)NSGは、核燃料サイクルへの多国間アプローチについて行われている議論に留意した。

(7)参加国は、NSGの目的に関連する国連安保理決議の国内実施について意見交換を行うとともに、効果的な実施を確保するための全ての適切な手段を講ずるとのコミットメントを再確認した。

(8)参加国は、NSGガイドライン等に対する信頼、遵守及び理解を促進する上で適切な透明性についての必要性の高まりを認識しつつ、守秘義務に対するコミットメントを想起した。

(9)NSGは、トリガーリスト及び汎用品リストが技術及び最終需要規制の進展と歩調をそろえるようにすることの重要性につき同意した。

(10)NSGは、無形技術移転及び最終需要規制に関する挑戦に対処するため、国内運用及びアウトリーチ活動に資するベスト・プラクティス・ガイドを策定した。

(11)NSGは、審査及び執行に関連する課題、国際調達のパターン、傾向及びネットワークに関する事項、並びに国内税関コードを通じた規制対象品目の特定化についても議論した。

4.総会は、2008年の印との民生用原子力協力に関するNSG声明に基づき、同声明において言及されている印の自発的な約束と行動を踏まえ、定期的報告についての議論及び協議を行った。

5.参加各国は、アウトリーチ活動を強化する価値を再確認し、その強化について同意した。

(注)同総会にて発出されたパブリック・ステートメントについてはこちら(PDF)PDF他のサイトヘに掲載されている。


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