国連

麻生総理大臣と潘基文国連事務総長との会談(概要)

平成21年7月2日

(写真) (写真)
(写真提供:内閣広報室)

 7月1日午後6時50分から9時30分まで、麻生総理大臣は、実務訪問賓客として訪日中の潘基文国連事務総長と会談、共同記者発表及び夕食会を行ったところ、概要以下のとおり(記者発表の概要部分は別添)。

1. 冒頭

 麻生総理より、潘事務総長の訪日を歓迎する、同事務総長を迎えるのはお互いが日韓の外相を務めていた平成18年以来であると述べた。
 潘事務総長からは、日本が発揮する指導力は、グローバルな課題の解決に大きな違い生み出すものであるとの発言があった。

2. 気候変動

 麻生総理より、6月10日に発表した温暖化効果ガスを「2005年比で15%減」との中期目標の設定を踏まえ、日本としては、年末のCOP15に向け、G8サミット、主要経済フォーラム(MEF)首脳会合、及び国連交渉における議論を引き続き主導していきたいとの発言があった。
 潘事務総長からは、日本の目標が国内努力だけを積み上げて算定された「真水」であることを評価しており、今後、途上国への資金供与や技術移転によるオフセットなどを通じた更なる取組を行い、コペンハーゲンでのCOP15の成功に貢献されることを期待する旨述べた。

3. 平和維持・平和構築

 麻生総理より、日本が国連のPKOに、より主体的・積極的に参加するため、国連待機制度への登録を行う決定をした旨を伝えた。
 これに対し、潘事務総長からは、今回の登録決定は、国連PKOの能力を強化するものであり評価する旨述べた。
 また、麻生総理からは、平和構築と早期復興には文民の役割も重要であり、日本として、一昨年から実施してきた文民専門家の育成事業(寺子屋事業)を更に強化していく考えであると説明した。

4. ミャンマー

 麻生総理より、潘事務総長が今回の訪日後、ミャンマーを訪問することについて、国際社会とミャンマーにとってきわめて重要な時期であり、潘事務総長の努力を支持するとの発言があった。
 これに対し、潘事務総長から、自分の努力に対する日本からの支持に感謝するとともに、日本からの引き続いての支援を頼りにしている旨述べた。

5. 北朝鮮

 麻生総理より、強い内容の安保理決議1874号が採択されたことを評価する、拉致問題を含む北朝鮮の人権状況は深刻であり、改善に向け、貴事務総長とも協力していきたい旨発言した。
 これに対し、潘事務総長より、安保理決議1874号を国連加盟各国が完全かつ効果的に実施していくことが重要である、同決議は対話を通じた平和的解決にも道を開いておりその促進も大事である、国連事務総長として協力していきたい旨述べた。

6. 安保理改革

 麻生総理より、安保理改革は重要な問題であり、その早期実現に向けて、事務総長の理解と協力を得たい旨述べた。
 潘事務総長からは、安保理改革を推進するために協力を惜しまない旨応答があった。

7. 核軍縮・不拡散

 潘事務総長と麻生総理は、核軍縮・不拡散について、先般日本が発表した「11の指標」や事務総長の「5つの行動計画」に言及しつつ、2010年のNPT運用検討会議の成功に向けて協力していくことにつき一致した。

8. テロ・海賊対策

 潘事務総長より、日本のソマリア沖の海賊対策の支援に対する評価と謝意が表明され、引き続き双方が緊密に連携していくことで一致した。

9. 人間の安全保障

 潘事務総長より、人間の安全保障が今日の国際社会が直面する多くの課題を解決するために有効な概念であり、この分野での日本の貢献を評価する旨述べた。
 これに対し、麻生総理からは、現在の経済・金融危機の逆風の中でも、ミレニアム開発目標(MDGs)の達成をはじめ、開発への従来の取組を後退させてはならない、昨日の自分の外交スピーチでも、ODAを強化する必要性を主張した、日本は人間の安全保障を外交の柱の一つに位置づけ、国連等の場での普及や実践に努めている旨述べた。

10. 地域情勢

 アフガニスタン、パキスタン、イラン等の地域における問題について、日本と国連が協力して取組を進めていくことで一致した。

このページのトップへ戻る
目次へ戻る