平成18年12月18日
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本日ここに日本の国際連合加盟50周年を記念する式典を天皇・皇后両陛下の御台臨を仰ぎ、外務省と共に開催できますことは、誠に栄誉な事と存じます。
日本が国連に加盟いたしましたのは1956年、あたかも第二次世界大戦後の混乱が徐々に収まりつつあり、安定した経済発展を始めた時期にあたります。
しかし、私共の「財団法人 日本国際連合協会」は、1945年戦争の終結を待たずして発足した国際連合に加盟すべく、1947年には設立し活動を始めておりました。国際連合に加盟する事が、如何に日本にとって必要かということを国民に広く知らしめる為の草の根運動として、民間の人々が活発に活動したものであります。
そして加盟いたしまして50年、その国連自体も変換の時に来ております。国連発足から61年、世界中のどこかの地域では常に紛争が起こっております。国連がどのように機能すれば、恒常的世界平和が訪れるのか、国連機構そのものの体質をも含め見直すべきでありましょう。
この12月をもって、10年つとめられたアナン事務総長が勇退なさり、1月より韓国のパン・ギムン新事務総長の体制になります。アジアより選出された、事務総長に新たな国連のあり方を期待したいところです。
私が、当協会の会長をお引き受けいたしまして4年がたちました。それ以前にも、茶道裏千家の家元及び前家元として世界各国を「から平和を」の理念のもと歴訪し、世界平和を願って参りました。戦争を体験し多くの戦友を亡くした者として、また、平和の大切さを身をもって知っている者の使命として努めて参りました。
昨今、世界の人々の目が愚かな人類の所業の結果、自然破壊が進んだ環境問題への取り組みに向いております。人は「青山緑水」自然と共に歩まなくてはならないものです。地球に住まわせていただいている、という感謝の気持ちを総ての人々が持てばおのずから、差別・区別無い同じ人類であるとお互いを認め合う事になり、争い事は収まるのではないでしょうか。
最後に、この50周年を新たなる一歩とし微力ではありますが、日本が国連の中で活躍する事をバックアップすべく、国民の認識を新たにする働き掛けが出来ますればと念じて、御挨拶とさせていただきます。