地球環境

第48回国際熱帯木材理事会(ITTC)(概要)

平成24年11月

 平成24年11月5日(月曜日)から10日(土曜日)まで,横浜において,「第48回熱帯木材理事会」が開催されました。

1.概要

 国際熱帯木材理事会は,横浜市に本部を置く国際熱帯木材機関(ITTO)の最高意思決定機関です。今回の理事会は,昨年12月に発効した「2006年の国際熱帯木材協定」の下で開催された初めての理事会となりました。我が国が議長を務め,持続可能な森林経営と熱帯木材の適正な貿易の推進に向け,新しいITTO行動計画や今後の事務局運営体制など,新たなITTOの活動開始に向けた議論が行われました。

2.日程・場所

  1. (1)日程:平成24年11月5日(月曜日)~10日(土曜日)
  2. (2)場所:横浜

3.参加国・出席者

  1. (1)加盟国:カメルーン,ガボン及びミャンマーの林業担当大臣と38の加盟国及びEUから政府担当者等。
  2. (2)我が国:外務省,林野庁及び環境省担当者
  3. (3)オブザーバー:「2006年の国際熱帯木材協定」に加盟していない国,国連森林フォーラム(UNFF),国連食糧農業機関(FAO),国際機関のほか,NGO,民間団体等の関係者

4.主な結果

(1)2006年の国際熱帯木材協定の発効
 平成23年12月17日に発効した「2006年の国際熱帯木材協定」への締結状況が報告され,11月5日時点で62の国とEUが加盟していることが報告されました。更に,理事会期間中にモザンビーク及びトリニダード・トバゴの加入が認められたことから,加盟国は64か国とEUとなりました。

(2)ITTO戦略的行動計画(ITTO Strategic Action Plan 2013-2018
 ITTOの活動の基礎となる,2013年から2018年までのアクションプランについて議論が行われました。これは,「2006年の国際熱帯木材協定」の発効に合わせて議論されてきたもので,本理事会では,ITTOの活動の戦略的優先事項として,以下の6項目が決定されました。

  1. (1)ガバナンスの向上・政策枠組みの強化と資金の増進
  2. (2)国際貿易を通じた熱帯林の国家及び地域的経済への貢献の増大
  3. (3)熱帯木材生産林における生物多様性保全の促進
  4. (4)熱帯林減少の低減と環境サービス対策の強化
  5. (5)熱帯林に関する情報の質とアクセスの改善
  6. (6)持続可能な森林経営の実現と持続可能的に管理された森林から生み出される商品による貿易及びサービス増加のための人材育成

(3)テーマ別プログラムの見直し
 2008年から試行的に開始し,気候変動や違法伐採などの特定の課題に対して対策を行うテーマ別プログラムが,協定の発効に伴い本格的に実施されることとなりました。試行段階で生じた課題や見直しのための議論が行われ,プログラム実施のための新たな手続きやガイドライン等が決定されました。

(4)プロジェクト等への支援
 今回の理事会では,各国から31件,合計578万ドルのプロジェクト等に対して拠出が表明され,我が国からは合計357万ドルの支援を表明しました。
 また,事務局から,2012年の加盟国,民間企業を含む,全てのドナーから表明のあった,資金供与の合計額が900万ドルとなったことが報告されました。

(5)第49回及び第50回理事会の開催日時及び場所
 第49回理事会は,2013年11月25日から30日にガボンのリーブルビルにて,第50回理事会は,2014年11月3日から8日に横浜にて開催することが確認されました。

(参考)平成24年10月31日付報道発表「第48回国際熱帯木材理事会の開催」

このページのトップへ戻る
目次へ戻る