1.訓練全体の概要
(1)訓練日程・場所
- (イ)日程:7月3日(火曜日)~5日(木曜日)
- (ロ)場所:北海道札幌市(3日及び5日)及び同千歳市(4日)
(2)訓練参加主体
- (イ)我が国: 外務省,内閣官房,警察庁,財務省(税関),国交省,防衛省等
- (ロ)アセット(装備・人員)派遣国: オーストラリア,韓国,シンガポール
(3)参加国(上記装備・人員派遣国を除く。)
アジア大洋州:ブルネイ,インド,ニュージーランド,タイ,ベトナム,北米:米国,カナダ,中南米:パナマ,中東:イスラエル,カタール,トルコ,イエメン,欧州等:オーストリア,チェコ,ドイツ,イタリア,ロシア
オブザーバーを含む参加国(装備・人員派遣国を含む)合計:20カ国(日本を除く)
(4)目的
(イ)拡散阻止に向けた明確かつ力強いメッセージの発出
我が国初のPSI航空阻止訓練の主催(注)を通じ,大量破壊兵器及びその関連物資の拡散阻止に向けた我が国及び国際社会の意思を内外に表明する。また,実動訓練の一部始終をオブザーバーやメディアに公開し,PSIの目的や内容,その重要性等についての理解の向上を図る。
(注)我が国はこれまで,平成16年10月及び平成19年10月にPSI海上阻止訓練(「Team Samurai 04」及び「Pacific Shield 07」)を主催している。
(ロ)各国の措置についての相互理解の促進,関係機関相互の連携の強化
我が国の訓練に加えて,オーストラリア,韓国,シンガポールの各国が放射性物質や化学剤の検知に係る貨物検査を実施することを通じて,各国の検査方法についての相互理解を促進し,拡散阻止のための措置の実効性向上を図る。
我が国については,訓練を通じて,航空自衛隊,警察,財務省(税関)の相互の連携を強化する。
机上訓練においては,各国が実動訓練と同様のケースに対していかに対応するかについての議論を通じて,各国の制度について相互理解の深化を図る。
(ハ)幅広い国々からの参加
我が国主催の初めてのPSI航空阻止訓練に対し,アジア大洋州,北米・中南米,中東,欧州から,PSI未参加国を含む幅広い国々からの参加を得て,これらの国々がPSI及び不拡散一般に対する取組の重要性や各国の政策についての理解を深める。
2.事前ブリーフィング及びレセプション(3日)
- (1)場所:札幌市内ホテル
- (2)参加機関
我が国:外務省,防衛省等
その他:各国参加者等 - (3)内容:訓練の概要,意義,目的等を参加者に説明。
3.実動訓練の内容(4日)
- (1)場所:新千歳空港,航空自衛隊千歳基地
- (2)参加機関
我が国:外務省,警察庁,財務省(税関),防衛省等
その他:オーストラリア,韓国,シンガポールの検査訓練チーム - (3)内容
午前の部(我が国実動訓練及び検査訓練)
- (イ)拡散懸念国からの放射性物質を輸送している疑いの強い民間貨物機(訓練には航空自衛隊のU-4多用途支援機を使用)が我が国領空に侵入したとの事態を想定し,航空自衛隊が要撃機(F15戦闘機2機。当日は天候上の理由から参加せず。)を発進させ,容疑機を空自千歳基地に着陸させる訓練(実動阻止訓練)を実施。
- (ロ)新千歳空港において当該貨物を北海道警察・函館税関が検査し,容疑機から下ろす訓練(検査訓練)を実施。
- (ハ)続いて,陸上自衛隊(第7化学防護隊及び中央特殊武器防護隊)が除染に関する展示訓練を行った。
我が国検査訓練
陸上自衛隊による除染に関する展示訓練
午後の部(各国検査訓練)
オーストラリア(オーストラリア原子力科学技術機構(ANSTO)),韓国(国防部化生放防護司令部,韓国税関),シンガポール(シンガポール軍CBRE防護群)が放射性物質または化学剤の検知を行う検査訓練を実施。
オーストラリアによる検査訓練
韓国による検査訓練
シンガポールによる検査訓練
4.机上訓練(5日)
- (1)場所:札幌市内ホテル
- (2)参加機関
我が国:外務省,内閣官房,警察庁,財務省(税関),国交省,防衛省等
その他:各国参加者 - (3)内容:各参加国に対し,実動阻止訓練のシナリオをベースとした状況設定・シナリオを付与し,その中で各国がとりうる措置,関連の法制度について議論。
机上訓練