平成21年2月
2月17日~19日、東京において第16回アジア輸出管理セミナーが外務省及び経済産業省の協力の下に財団法人 安全保障貿易情報センター(CISTEC)の主催で開催された。
(1)アジア諸国・地域、特にASEAN諸国においては、経済発展に伴い、大量破壊兵器の開発に転用可能な物資・技術の生産能力を獲得してきていることに加え、中継貿易地として発展を遂げているところもあり、これらの国・地域が拡散者による違法な調達活動に意図せずして関わる危険性が高まっている。
(2)本セミナーは、このような状況を踏まえ、アジア地域の不拡散体制整備のためにはこれら諸国・地域の協力が必要不可欠との認識の下、1993年から毎年開催してきているものであり、輸出管理の重要性に対するアジア諸国・地域の共通認識を高め、その輸出管理制度を強化することにより、アジア地域及び国際的な不拡散への取組の強化に資することを目的としている。
(1)最近の大量破壊兵器の拡散および国際輸出管理動向、アジアにおける輸出管理の最新動向および課題、効果的な輸出管理に向けての課題、最近の各国・地域の輸出管理の状況と将来の課題、ライセンシング、通過・積替規制、輸出規制の執行、産業アウトリーチ・輸出管理社内規定(ICP)、および国際協力につき議論が行われた。
(2)今次セミナーでは、国際輸出管理レジームであるオーストラリア・グループ(AG)とミサイル技術管理レジーム(MTCR)の議長国を務めている豪より、これらの国際輸出管理レジームについての紹介があった。
(3)参加国・地域より、それぞれの輸出管理体制の現状につき説明があった他、小グループ会合では、国際的輸出管理と各国・地域の輸出管理制度の調和、ブローカリング、および無形技術移転について活発な意見交換が行われた。
(4)今次セミナーでは、参加国・地域において輸出管理強化の重要性の認識がより一層深まっていることが伺えた。今後とも我が国としてこれら諸国・地域に対する働きかけを継続していく方針である。