軍縮・不拡散

第15回アジア輸出管理セミナー(概要)

平成19年11月

 11月20日~22日、東京において第15回アジア輸出管理セミナーが外務省及び経済産業省の協力の下に財団法人安全保障貿易情報センター(CISTEC)の主催で開催されました。

●セミナー参加国・地域 :
バングラデシュ、ブルネイ、カンボジア、中国、インド、インドネシア、ラオス、マカオ、マレーシア、モンゴル、ミャンマー、パキスタン、フィリピン、スリランカ、台湾、タイ、ベトナム
●セミナー協力国・地域 :
豪、独、香港、韓国、シンガポール、英、米

1.セミナー開催の背景

(1)アジア諸国・地域、特にASEAN諸国においては、経済発展に伴い、大量破壊兵器の開発に転用可能な物資・技術の生産能力を獲得してきていることに加え、第三国への中継貿易地として発展を遂げているところもあり、これらの国・地域が拡散者による違法な調達活動に意図せずして関わる危険性が高まっている。

(2)本セミナーは、このような状況を踏まえ、アジア地域の不拡散体制整備のためにはこれら諸国・地域の協力が必要不可欠との認識の下、1993年から毎年開催してきているものであり、輸出管理の重要性に対するアジア諸国・地域の共通認識を高め、その輸出管理制度を強化することにより、アジア地域及び国際的な不拡散への取組の強化に資することを目的としている。

2.今次セミナーの概要

(1)最近の大量破壊兵器の拡散と輸出管理を巡る動向、アジアにおける輸出管理制度の進展、輸出管理制度の強化にかかる課題、輸出管理における最近の重要課題、効果的な輸出管理制度、国際連携につき議論が行われた。

(2)今次セミナーでは、初めて学界との交流セッションが設けられ、日本安全保障貿易学会と参加国・地域との間でアジアにおける輸出管理の課題及び解決方法について活発な意見交換が行われた。

(3)参加国・地域よりそれぞれの輸出管理体制の現状につき説明があった他、今後アジア地域における輸出管理体制を効率的に強化するためには、迅速で信頼性のある情報交換が不可欠であり、関係当局間の連携が重要であるとの共通認識が醸成された。

(4)また、輸出管理における最終用途及び最終需要者の特定や大量破壊兵器関連品目の判定など各国が抱える共通の課題について議論がなされたほか、輸出管理が自由貿易(経済発展)に与える効果についても積極的な意見交換が行われ、効果的な輸出管理は貿易の信頼性を高め、経済発展を促進するとの認識が共有された。

(5)今次セミナーでは、参加国・地域において輸出管理強化の重要性の認識がより一層深まっていることが伺えた。今後とも我が国としてこれら諸国・地域に対する働きかけを継続していく方針である。

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