平成19年2月
2月6日~8日、東京において第14回アジア輸出管理セミナーが外務省及び経済産業省の協力の下に開催された。本セミナーは、アジア諸国・地域の輸出管理専門家を対象に、1993年より毎年度行われているものである。
(1)アジア諸国・地域、特にASEAN諸国においては、経済発展に伴い、大量破壊兵器の開発に転用可能な物資・技術の生産能力を獲得してきていることに加え、第三国への中継貿易地として発展を遂げているところもあり、これらの国・地域が拡散者による違法な調達活動に意図せずして関わる危険性が高まっている。
(2)本セミナーは、このような状況を踏まえ、アジア地域の不拡散体制整備のためにはこれら諸国・地域の協力が必要不可欠との認識の下、1993年から毎年開催してきているものであり、輸出管理の重要性に対するアジア諸国・地域の共通認識を高め、その輸出管理制度を強化することにより、アジア地域及び国際的な不拡散への取組の強化に資することを目的とする。
(3)今次セミナーは、北朝鮮とイランに関する国連安保理決議により、国際輸出管理レジーム(原子力及びミサイル関連)のガイドラインの遵守が国連全加盟国に求められている中での開催になった。
(1)最近の大量破壊兵器の拡散と輸出管理を巡る動向、アジアにおける輸出管理制度の進展・今後の課題、効果的な輸出管理制度、産業界への普及啓発、国際連携等の議題につき議論が行われた。
(2)我が国、欧米諸国及び輸出管理レジーム議長より、国連安保理決議を受けた厳格な輸出管理、とりわけ国際輸出管理レジームのガイドライン遵守の重要性及び緊急性につき強調され、これらについての共通認識が醸成された。
(3)新規参加のバングラデシュ、インド、スリランカを含む過去最大の26カ国及び地域(我が国含む)からの参加があり、アジア広域及び欧米諸国の輸出管理関係者が非常に活発な議論を行った。
(4)今次セミナーにはミサイル技術管理レジーム(MTCR)議長(デンマーク)が参加し、MTCRの最近の活動に関するプレゼンテーションを実施するなど、積極的な貢献を行い、国際輸出管理レジームの取組みの一端をセミナー参加者に紹介する有意義な機会となった。
(5)今次セミナーにおいては参加国・地域において輸出管理強化の重要性の認識がより一層深まっていることが伺えた。今後とも我が国としてこれら諸国・地域に対する働きかけを継続していく方針である。