
G8エネルギー大臣会合 議長声明(仮訳)
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- G8エネルギー大臣は、地球規模でのエネルギー安全保障に関連した共通の関心事項について協議するため、2006年3月15-16日、モスクワに集まった。
- 人々の幸福、生活様式及び生活の質がエネルギーに対するアクセスに直接依存していることを考慮すれば、信頼性の高いエネルギー供給が、世界経済の発展において主要な役割を果たす。
- 閣僚は、21世紀には、主としてダイナミックに発展する経済により、世界のエネルギー消費が必ずや大幅に増大することになろうと認識している。エネルギーミックスにおける代替資源の増加にも拘わらず、少なくとも21世紀の前半は、化石燃料は世界のエネルギー産業の基礎であり続ける。
- 閣僚は、世界のエネルギー安全保障に対する課題、並びに燃料及びエネルギー部門の市場の効率性促進に関する問題につき議論を行った。我々は、エネルギー安全保障の課題に対処するには、市場に基づく価格決定、競争、エネルギー効率及び利用抑制を推進することと同時に、エネルギー供給の増加と需要の増大の抑制を目的とする市場中心の手法に基づく必要があることに留意する。
- 閣僚は、現在の状況に加え、各エネルギー部門開発の為、の中・長期の計画及びプログラムについての情報交換を含む、エネルギーの生産、通過及び消費国間の対話の更なる発展及び強化の重要性を指摘する。
- 閣僚は、埋蔵量、需要及び供給、在庫並びに生産能力に関するデータの入手可能性及び透明性の向上を目指す、共同石油データ・イニシアティブ(JODI)等の適切な国際的取組への支持を確認する。
- 閣僚は、国際的なエネルギー部門の安定的な未来のためには、エネルギー資源の生産、輸送及び加工の面で多くの投資が必要であることを留意する。我々は、投資を呼び込むためには、安定的で予測可能な法令、明確な税法、効率的な事務手続き、及び、公平で相互的なエネルギーが価値を生み出す各段階での市場へのアクセスを含む、開かれた、魅力的な投資の制度を、各国が有することが不可欠であることを認識する。
- 閣僚は、昨年、我々の首脳によりグレンイーグルズで採択された、技術革新の促進、エネルギー効率の向上、環境保護の強化の為の幅広い措置を含む行動計画の実施を支持する。
- 閣僚は、エネルギー資源、供給者及び消費者、および供給手法や経路の面で、エネルギーの構成を多様化することが、個別の国のみならず国際社会全体にとり、エネルギー安全保障上のリスクを軽減するという事実を基本認識とする。再生可能、および代替エネルギーのより広範な利用、革新的なエネルギー技術の開発および導入、低炭素エネルギーの開発に向けた、G8及びその他の諸国による共同の取組は、この戦略的課題の解決に大きく貢献し得る。安全で防護されたな原子力の広範な開発は、それを希望する国にとっては、長期的に環境面で持続可能なエネルギー供給多様化の為に重要である。
- 閣僚は、将来の低炭素技術の開発に向けた継続的な国際協力が重要になるであろうとの点で一致する。革新的なエネルギー技術による解決法の開発、普及の促進は、環境、経済及びエネルギー安全保障上のより長期的な利益を有し、世界の持続可能なエネルギーの未来の鍵となる。
- 先進国と、エネルギー供給が不足している開発途上国との間の、エネルギー供給における格差の大幅な縮小は、世界のエネルギー安全保障における主要な側面である。