外交青書・白書
第4章 国民と共にある外交

第1節 世界とのつながりを深める日本社会と日本人

1 外国人との秩序ある共生社会の実現に向けた外務省の貢献

(1)総論

7月、政府の外国人施策の司令塔となる事務局組織として、内閣官房に「外国人との秩序ある共生社会推進室」が設置され、外務省も参画した。11月に第1回「外国人の受入れ・秩序ある共生社会実現に関する関係閣僚会議」が開催され、茂木外務大臣が出席した。人口減少に伴う人手不足の状況において外国人材を必要とする分野があることは事実であり、インバウンド観光も重要である。一方、一部の外国人による違法行為やルールからの逸脱に対し、国民が不安や不公平を感じる状況が生じていることもまた事実である。外務省としても引き続き関係省庁と連携しつつ、外国人との秩序ある共生社会の実現に向けて積極的な役割を果たしていく。

(2)査証(ビザ)制度

2025年の年間訪日外客数は過去最高を更新した。外務省では、円滑な査証業務の推進と、犯罪や不法就労を目的とする者又は人身取引の被害者となり得る者などの入国を未然に防止する観点からの厳格な査証審査の双方を維持しつつ、適切な形での観光立国推進や外国人の受入れなどに寄与するため、必要な物的・人的体制の整備及び関連業務の合理化に引き続き取り組んでいる。

その上で、外務省は、日本の出入国在留管理や治安への影響、各国・地域との人的交流促進による経済波及効果、相互理解の増進、相手国・地域との関係強化などを総合的に勘案し、関係省庁間で綿密な調整を行い、政府として最終的な可否を慎重に判断した上で、短期滞在に係る査証の戦略的な緩和措置をこれまで実施してきている。2025年には、パラグアイ及びモンテネグロに対して査証免除措置を導入し、アラブ首長国連邦に対して査証免除での滞在可能期間を最大30日から最大90日に拡大した。また、各国との青少年交流の更なる促進の観点から、スロバキア、ドイツ、アイルランド及び韓国とのワーキング・ホリデー制度について、相手国参加者に対し従前の一生涯1回から一生涯2回まで参加可能とする見直しを行った。

(3)外国人材の受入れをめぐる取組

外務省は、外国人材の受入れ及びその環境整備に向けた取り組みの一つとして、特定技能制度(2019年4月創設)において送出国との情報連携の枠組みなどを定める協力覚書の作成や、同覚書に基づく二国間協議に参画しているほか、技能実習制度に代わる育成就労制度の新設に係る法改正(2024年)を受け、2027年の新制度施行に向けて関係省庁と連携して取り組んでいる。

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