軍縮・不拡散

国際原子力機関(IAEA)第55回総会への細野内閣府特命担当大臣の出席(概要)

平成23年9月19日
内閣府・外務省

 9月19日より,ウィーンにおいて,国際原子力機関(IAEA)第55回総会が開会し,我が国政府代表として,細野豪志内閣府特命担当大臣が出席したところ,概要以下のとおり。

1.政府代表演説 

 細野大臣は,総会初日に英語で一般演説(日本語英語)(演説順序は2番目)を行った。演説のポイントは以下のとおり。

(1)東京電力福島第一原発事故

  • 東京電力福島第一原発事故後にIAEA及び加盟国から受けた支援に改めて謝意を表明。事故の教訓を世界の原子力安全の向上,核セキュリティ強化に活かすための取組を主導する天野事務局長のリーダーシップを高く評価。
  • 事故の一日も早い収束と検証,教訓を国際社会と共有し原子力安全の強化に向けたIAEAの国際的取組に反映させていくことは,我が国の責務であり,原子力安全行動計画の実施に全力を傾注。
  • 事故に関する情報と教訓を迅速かつ正確に国際社会に提供してくことが重要との考えの下,IAEAに追加報告書を提出。事故の状況は着実に収束に向かっている。冷温停止状態を,予定を早めて年内を目途に達成すべく,全力を挙げて取り組む。
  • 来年4月を目途に「原子力安全庁」を環境省の外局として発足させ,規制体制の一元化,安全文化の徹底,危機管理の整備を進めるとともに,原子力安全規制自体を根本的に強化するべく更なる規制を進める。
  • 本年10月中にIAEA除染チームを受入れる予定。2012年にハイレベル会合をIAEAと共催し,我が国の原発の総点検の結果や原子力の安全利用への取組の方向性を国際社会と共有。

(2)地域の核問題,原子力の平和的利用等

  • 北朝鮮,イラン,シリアの核問題や,核軍縮,原子力の平和的利用についても,我が国の立場や取組を説明するとともに,今後ともIAEAや各国と協力して取り組む旨表明。

2.各国代表等との会談

  1. (1)細野大臣は,天野IAEA事務局長,チュー米国エネルギー省長官,ヤツコ米国原子力規制委員会委員長,ベッソン・フランス産業・エネルギー・デジタル経済大臣,キリエンコ・ロシアロスアトム社社長と個別に会談し,東日本大震災に際しての支援に謝意を表明。今回の原発事故に関する我が国の取組や今後の見通し,IAEAや当該国との今後のあり得べき協力などについて意見交換を行った。
  2. (2)特に,天野IAEA事務局長との間では,10月中にIAEAの除染ミッションを受け入れる方向で調整することに合意。また,ストレステストについて,細野大臣から,我が国が行う安全評価に対して,IAEAの国際的な知見を活用した積極的な関与・助言を要請。天野事務局長からは,IAEAとして積極的に支援したいとの回答があり,今後,協力の詳細について十分に協議・調整することとなった。

3.東京電力福島原発事故に関する報告会

 細野大臣は,我が国がIAEA総会の機会に主催した「東京電力福島原発事故に関する報告会」において冒頭挨拶を行い,同事故に関する追加報告書をIAEAに提出したこと,事故の状況が徐々に収束に向かっていること,除染などオフサイトの対応や住民の健康管理のための取組が政府の最重要課題の一つであること等を紹介した。

 同報告会では,6月の「原子力安全に関するIAEA閣僚会議」において我が国が提出した同事故に関する報告書以降の進捗状況をまとめた追加報告書について,報告書の作成に携わってきた関係者から同報告書の詳細と日本の取組を説明した。

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