軍縮・不拡散

第4世代原子力システムに関する国際フォーラム
Generation IV International Forum(GIF)

令和7年3月

1.経緯

(1)1999年、米国は第4世代原子力システム(注)の概念を提唱し、各国に対し、その研究及び開発に関する国際協力のための枠組みとして第4世代原子力システムに関する国際フォーラム(GIF)の構築を呼びかけました。

(注)第4世代原子力システムとは、初期の原型的な原子炉(第1世代)、現行の軽水炉等(第2世代)、現在導入が開始されている改良型軽水炉等(第3世代)に続く次世代の原子力システムの概念。経済性、安全性、持続可能性(省資源性と廃棄物の最小化)、核拡散抵抗性などを総合して他のエネルギー源に対して十分な優位性を持ち、2030年頃に商業導入を目指しています。

(2)これを受け、2001年7月にアルゼンチン、ブラジル、カナダ、フランス、日本、韓国、南アフリカ、英国及び米国は、GIFの理念を定めた憲章を作成しました。その後、2002年にスイス、2003年に欧州原子力共同体(ユーラトム)、2006年に中国及びロシア、2016年に豪州もGIF憲章に署名し、現在、計13か国及び1国際機関がGIFの加盟国となっています。

(3)2005年2月、当時GIFに加盟していた10か国及び1国際機関のうち、我が国、米国、フランス、カナダ及び英国は、研究及び開発に関する協力の枠組みを規定する国際約束(「第4世代の原子力システムの研究及び開発に関する国際協力のための枠組協定」(以下「旧枠組協定」)に署名し、締約国となりました。その後、旧枠組協定にはGIFの加盟国・国際機関であるスイス、韓国、ユーラトム、中国、南アフリカ及びロシアが加入しました。2015年2月には、旧枠組協定の有効期間を10年間延長する協定が締結され、旧枠組協定の有効期間は2025年2月28日までとなりました。その後、2017年には豪州が旧枠組協定に加入しました。

(4)2024年、旧枠組協定の有効期間満了後も、第4世代の原子力システムの研究及び開発に関する協力活動を継続するため、「第4世代の原子力システムの研究及び開発に関する国際協力のための枠組協定」(以下「現枠組協定」)が作成されました。2025年2月28日までに、我が国、フランス、スイス、英国及び米国が締結手続を完了したことにより、協定の規定に従い、2025年3月1日に現枠組協定が発効しました。

2.活動内容

(1)GIFの研究及び開発課題として6つのシステム(注)が2002年7月に選定され、同年12月、これらのシステム並びにシステムに共通する安全性及び不拡散性等の事項についての研究開発計画が作成されました。

(注)ガス冷却高速炉(GFR)、鉛冷却高速炉(LFR)、溶融塩炉(MSR)、ナトリウム冷却高速炉(SFR)、超臨界水冷却炉(SCWR)、超高温炉(VHTR)

(2)GIFの参加国は、枠組協定に紐づくシステムに関する取決め、事業に関する取決め及び了解覚書を作成し、それらに参加することで、具体的な研究開発プロジェクトを実施しています。
例えば、GIFが研究開発協力を進める各炉型において、安全設計要件(Safety Design Criteria, SDC)を策定する活動等が展開されている他、IAEAが進める「革新炉、SMRの安全基準策定」にもGIFの成果をベースに参加・貢献しています。

The Generation IV International Forum(英語)(外部サイト)別ウィンドウで開く

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