軍縮・不拡散

国連小型武器オープンエンド政府専門家会合の結果概要

平成23年5月


 9日~13日,ニューヨーク国連本部において,小型武器政府専門家会合が開催されたところ,概要以下のとおり。

1.本件会合の位置付け

 本件会合は,国連小型武器行動計画(PoA)に記載された特定の問題・課題の中,特にトレーシング国際文書(ITI)の実施に向けた取り組みに焦点を当て,現場の経験・知識・技術を持つ専門家による議論を行う目的で開催された。

2.議論の概要及び成果

 本件会合においては,小型武器に対する刻印,記録保持,追跡(トレーシング),ITI実施のための国内実施体制,地域協力,国際支援・能力向上の各セッションにおいて,出席国・機関の間で専門的・技術的側面から活発な議論が行われた。
 例えば,刻印については,レーザーを利用した弾薬への刻印の紹介,記録保持については,銃器情報に関する電子データベース・システムの確立,追跡(トレーシング)については,早期の追跡を確保するためのコンタクト・ポイントの設置及び関係省庁間の連携の必要性,地域協力については,各地域機関が実施している資金協力及び技術協力に関する説明等が行われた。
 会合の成果文書としては,議論の要点を含めた報告書が全会一致で採択され,また,議論の概要をまとめた議長サマリーが議長の責任で作成された。なお,報告書の採択に際しては,弾薬をITIの枠組みに追加するか否か,国境管理の問題をどう取り扱うかについて議論が行われたがコンセンサスには至らず,こうした経緯を示す内容が報告書パラ36に記載されることとなった。

3.我が国の対応

 我が国は河野通常兵器室長等が出席し,各セッションで積極的に発言を行った。また,関係国政府,国際機関,NGOが主催するサイド・イベントにも参加して,主催者及び他の出席者と意見交換を行った。

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