国連外交
岸田外務大臣の第69回国連総会出席(概要)
平成26年9月29日
- 岸田外務大臣は,9月21日(日曜日)から26日(金曜日)まで,第69回国連総会出席のためニューヨークを訪問した。
- 岸田大臣は,G7外相会合,北朝鮮の人権問題に関するハイレベル会合,安保理改革に関するG4外相会合等13の多国間会合に出席し,これらの内,CTBTフレンズ外相会合の議長を務めた。
- また,岸田大臣は,7か国(イタリア,米国,英国,タイ,韓国,中国,イラク)と外相会談等を実施した。
- これらの機会を通じ,今回の滞在中,約25か国の外務大臣と会い,相互の信頼関係を強化した。
1.主要行事等の結果概要
(1)二国間会談等
岸田大臣は,イタリア,米国,英国,タイ,韓国,中国,イラクと外相会談等を実施し,それぞれとの二国間関係等に関する意見交換に加え,エボラ出血熱への対応,中東情勢,ウクライナ情勢等につき各国外相と議論するとともに,その他の地域情勢やグローバルな課題についても,日本の立場を説明し,国際場裡での協力についても議論した。
(2)安保理改革
岸田大臣は,安保理改革に関するG4外相会合に出席した。G4(日印独伯)外相は,安保理改革について,明年の国連創設70周年に具体的成果が得られるよう,アフリカをはじめとする各国への働きかけを強化していくことに合意した。
(3)G7外相会合
岸田大臣は9月25日に開催されたG7外相会合に出席し,国際情勢における喫緊の課題について率直な意見交換を行った。冒頭,岸田大臣がアジア情勢について説明し,これを受けた議論が行われるとともに,エボラ及び中東和平について議論された。また,ISIL,ウクライナ及びエボラに関するG7外相声明をそれぞれ発出した。
(4)軍縮・不拡散
岸田大臣は,第7回CTBTフレンズ外相会合の議長を務めると共に開会挨拶を行い,CTBT発効に不可欠な発効要件国のCTBT批准を訴えた他,被爆70周年の来年,広島でCTBT発効促進賢人会合(GEM)を開催することを発表した。会合ではCTBTフレンズ各国代表のほか,国連事務総長,包括的核実験禁止条約機関(CTBTO)事務局長に加え,未批准国からケリー米国務長官等が演説を行い,共同閣僚声明が発出された。
また,核兵器の全面的廃絶のための国際の日に関する会合では,核兵器廃絶に向けた国際社会の認識を深めるとともに,岸田大臣によるステートメントにおいて,被爆70年となる来年に向けて,我が国は引き続き,軍縮・不拡散分野で国際社会をリードしていく方針を表明した。
(5)女性
岸田大臣は,平等な未来パートナーシップ会合及び緊急事態下におけるジェンダー暴力からの保護に対する行動要請会合へ出席し,女性の経済的機会の拡大,紛争や自然災害といった緊急時における女性の保護等に関して,先般東京で開催された「女性が輝く社会に向けた国際シンポジウム」(WAW! Tokyo 2014)の成果を発信し,各国から高く評価された。
(6)人権
岸田大臣は,北朝鮮の人権問題に関するハイレベル会合に出席し,国連調査委員会(COI)の報告書や本年3月に採択された人権理事会決議等の一連の取組によって,拉致問題を含む北朝鮮の人権問題に対する国際社会の関心が高まっている機会を捉え,改めて拉致問題の早期解決の重要性を訴えつつ,我が国としてCOI報告書や決議のフォローアップに向け最大限努力する姿勢を示す等,国際社会と連携しながら,主体的に取り組む旨表明した。また,岸田大臣は,今次国連総会において,我が国がEUと共同で提出予定の北朝鮮人権状況決議が,広い支持を得て採択されるよう支持を呼びかけた。
(7)中東外交
岸田大臣は,シリア政治プロセス閣僚会合に出席し,ISILの脅威に対する国際社会の取組,シリア問題の政治的解決,各国が可能な形で穏健な反体制派を支援することの重要性を強調し,シリア及び周辺国であるレバノン向けの総額約550万ドルの新規支援を表明した。
パレスチナ支援調整委員会(AHLC)閣僚会合では,先般のガザ情勢悪化に対し,復興に向けた切れ目のない支援として,新たに約2,000万ドル規模の支援を行う意向を表明するとともに,我が国独自のイニシアティブである「パレスチナ支援のための東アジア協力促進会合(CEAPAD)」や「平和と繁栄の回廊」構想,イスラエル・パレスチナ間の信頼醸成の取組といった日本の支援について説明した。
また,G7ドーヴィル・パートナーシップ閣僚会合では,「アラブの春」の影響を受けたアラブ諸国の安定化に向けた支援を引き続き実施する必要性を説明した。
(8)テロ対策
岸田大臣は,グローバル・テロ対策フォーラム(GCTF)第5回閣僚級会合に出席し,ISIL(「イラク・レバントのイスラム国」)等の過激派組織や外国人戦闘員問題に対応するための日本自身の取組・各国への支援強化として関係国への約2,550万ドルの追加支援や,ナイジェリアへの刑事司法分野における能力向上のための追加支援を表明するとともに,外国人戦闘員問題への我が国の協調やGCTFの活動への支持を表明した。
(9)国際保健
岸田大臣は,「UHCの実現に向けて:なぜ今なのか」に出席し,ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)達成に向けて,グローバルリーダー達が連携して行動していくことを訴えた。プライマリー・ヘルス・ケア(PHC)の脆弱さも要因となって,状況が刻々と悪化している西アフリカでのエボラ出血熱の拡大についても触れ,この公衆衛生危機を打開するために日本は,追加的な緊急人道支援,WHOを通じた日本人専門家の派遣,我が国の製薬企業が開発した有力な候補薬の条件付提供など,必要な貢献を続けていく旨述べた。
(10)気候変動
岸田大臣は,エネルギーと気候に関する主要経済国フォーラム(MEF)外務大臣セグメントに出席し,来年パリで開催されるCOP21で採択される気候変動に関する新たな国際枠組みは全ての国に適用される公平かつ実効的なものであるべきであり,その採択の成功に向けて日本として最大限協力していく旨述べた。
岸田大臣は,イタリア,米国,英国,タイ,韓国,中国,イラクと外相会談等を実施し,それぞれとの二国間関係等に関する意見交換に加え,エボラ出血熱への対応,中東情勢,ウクライナ情勢等につき各国外相と議論するとともに,その他の地域情勢やグローバルな課題についても,日本の立場を説明し,国際場裡での協力についても議論した。
(2)安保理改革
岸田大臣は,安保理改革に関するG4外相会合に出席した。G4(日印独伯)外相は,安保理改革について,明年の国連創設70周年に具体的成果が得られるよう,アフリカをはじめとする各国への働きかけを強化していくことに合意した。
(3)G7外相会合
岸田大臣は9月25日に開催されたG7外相会合に出席し,国際情勢における喫緊の課題について率直な意見交換を行った。冒頭,岸田大臣がアジア情勢について説明し,これを受けた議論が行われるとともに,エボラ及び中東和平について議論された。また,ISIL,ウクライナ及びエボラに関するG7外相声明をそれぞれ発出した。
(4)軍縮・不拡散
岸田大臣は,第7回CTBTフレンズ外相会合の議長を務めると共に開会挨拶を行い,CTBT発効に不可欠な発効要件国のCTBT批准を訴えた他,被爆70周年の来年,広島でCTBT発効促進賢人会合(GEM)を開催することを発表した。会合ではCTBTフレンズ各国代表のほか,国連事務総長,包括的核実験禁止条約機関(CTBTO)事務局長に加え,未批准国からケリー米国務長官等が演説を行い,共同閣僚声明が発出された。
また,核兵器の全面的廃絶のための国際の日に関する会合では,核兵器廃絶に向けた国際社会の認識を深めるとともに,岸田大臣によるステートメントにおいて,被爆70年となる来年に向けて,我が国は引き続き,軍縮・不拡散分野で国際社会をリードしていく方針を表明した。
(5)女性
岸田大臣は,平等な未来パートナーシップ会合及び緊急事態下におけるジェンダー暴力からの保護に対する行動要請会合へ出席し,女性の経済的機会の拡大,紛争や自然災害といった緊急時における女性の保護等に関して,先般東京で開催された「女性が輝く社会に向けた国際シンポジウム」(WAW! Tokyo 2014)の成果を発信し,各国から高く評価された。
(6)人権
岸田大臣は,北朝鮮の人権問題に関するハイレベル会合に出席し,国連調査委員会(COI)の報告書や本年3月に採択された人権理事会決議等の一連の取組によって,拉致問題を含む北朝鮮の人権問題に対する国際社会の関心が高まっている機会を捉え,改めて拉致問題の早期解決の重要性を訴えつつ,我が国としてCOI報告書や決議のフォローアップに向け最大限努力する姿勢を示す等,国際社会と連携しながら,主体的に取り組む旨表明した。また,岸田大臣は,今次国連総会において,我が国がEUと共同で提出予定の北朝鮮人権状況決議が,広い支持を得て採択されるよう支持を呼びかけた。
(7)中東外交
岸田大臣は,シリア政治プロセス閣僚会合に出席し,ISILの脅威に対する国際社会の取組,シリア問題の政治的解決,各国が可能な形で穏健な反体制派を支援することの重要性を強調し,シリア及び周辺国であるレバノン向けの総額約550万ドルの新規支援を表明した。
パレスチナ支援調整委員会(AHLC)閣僚会合では,先般のガザ情勢悪化に対し,復興に向けた切れ目のない支援として,新たに約2,000万ドル規模の支援を行う意向を表明するとともに,我が国独自のイニシアティブである「パレスチナ支援のための東アジア協力促進会合(CEAPAD)」や「平和と繁栄の回廊」構想,イスラエル・パレスチナ間の信頼醸成の取組といった日本の支援について説明した。
また,G7ドーヴィル・パートナーシップ閣僚会合では,「アラブの春」の影響を受けたアラブ諸国の安定化に向けた支援を引き続き実施する必要性を説明した。
(8)テロ対策
岸田大臣は,グローバル・テロ対策フォーラム(GCTF)第5回閣僚級会合に出席し,ISIL(「イラク・レバントのイスラム国」)等の過激派組織や外国人戦闘員問題に対応するための日本自身の取組・各国への支援強化として関係国への約2,550万ドルの追加支援や,ナイジェリアへの刑事司法分野における能力向上のための追加支援を表明するとともに,外国人戦闘員問題への我が国の協調やGCTFの活動への支持を表明した。
(9)国際保健
岸田大臣は,「UHCの実現に向けて:なぜ今なのか」に出席し,ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)達成に向けて,グローバルリーダー達が連携して行動していくことを訴えた。プライマリー・ヘルス・ケア(PHC)の脆弱さも要因となって,状況が刻々と悪化している西アフリカでのエボラ出血熱の拡大についても触れ,この公衆衛生危機を打開するために日本は,追加的な緊急人道支援,WHOを通じた日本人専門家の派遣,我が国の製薬企業が開発した有力な候補薬の条件付提供など,必要な貢献を続けていく旨述べた。
(10)気候変動
岸田大臣は,エネルギーと気候に関する主要経済国フォーラム(MEF)外務大臣セグメントに出席し,来年パリで開催されるCOP21で採択される気候変動に関する新たな国際枠組みは全ての国に適用される公平かつ実効的なものであるべきであり,その採択の成功に向けて日本として最大限協力していく旨述べた。
2.日程
9月21日(日)
午前 ニューヨーク着
午後 エネルギーと気候に関する主要経済国フォーラム(MEF)外務大臣セグメント
9月22日(月)
午前 日イタリア外相会談
緊急事態下におけるジェンダー暴力からの保護に対する行動要請会合
午後 平等な未来パートナーシップ会合
パレスチナ支援調整委員会(AHLC)閣僚会合
UHCの実現に向けて:なぜ今なのか
邦人国連機関職員との夕食会
9月23日(火)
午前 北朝鮮の人権問題に関するハイレベル会合
日米外相会談
グローバル・テロ対策フォーラム(GCTF)第5回閣僚級会合
午後 日英外相会談
9月24日(水)
午前 核軍縮・不拡散有識者との昼食会
午後 シリア政治プロセス閣僚会合
日本食レセプション
9月25日(木)
午前 安保理改革に関するG4外相会合
午後 G7外相会合
G7ドーヴィル・パートナーシップ閣僚会合
日タイ外相会談
日韓外相会談
日中外相の意見交換
9月26日(金)
午前 日イラク外相会談
核兵器の全面的廃絶のための国際の日に関する会合
午後 第7回CTBTフレンズ外相会合
ニューヨーク発
午前 ニューヨーク着
午後 エネルギーと気候に関する主要経済国フォーラム(MEF)外務大臣セグメント
9月22日(月)
午前 日イタリア外相会談
緊急事態下におけるジェンダー暴力からの保護に対する行動要請会合
午後 平等な未来パートナーシップ会合
パレスチナ支援調整委員会(AHLC)閣僚会合
UHCの実現に向けて:なぜ今なのか
邦人国連機関職員との夕食会
9月23日(火)
午前 北朝鮮の人権問題に関するハイレベル会合
日米外相会談
グローバル・テロ対策フォーラム(GCTF)第5回閣僚級会合
午後 日英外相会談
9月24日(水)
午前 核軍縮・不拡散有識者との昼食会
午後 シリア政治プロセス閣僚会合
日本食レセプション
9月25日(木)
午前 安保理改革に関するG4外相会合
午後 G7外相会合
G7ドーヴィル・パートナーシップ閣僚会合
日タイ外相会談
日韓外相会談
日中外相の意見交換
9月26日(金)
午前 日イラク外相会談
核兵器の全面的廃絶のための国際の日に関する会合
午後 第7回CTBTフレンズ外相会合
ニューヨーク発