G7/G8

令和3年5月6日

【ロシア】

  • ウクライナとの国境沿い及びクリミアにおけるロシア軍の大規模な軍備増強の継続、他国の民主主義システム弱体化を目的とした悪意のある活動及び偽情報を含む、ロシアの無責任かつ不安定化を招く負の行動パターンの継続を深く懸念。
  • ロシアと西側諸国との関係悪化に遺憾の意を持って留意。ウィーン外交関係条約を尊重することの重要性を強調。
  • ナヴァリヌィ氏の逮捕、同氏への化学神経剤「ノビチョク」類の使用を非難した1月26日のG7外相共同声明を想起。
  • ロシアにおける人権状況の悪化、人権擁護者や独立した市民社会、メディアに対するより組織的な取締りを深く懸念。
  • ロシアとの安定した予測可能な関係への関心を改めて表明。

【インド太平洋】

  • ASEANの中心性とAOIPへの支持を再確認し、AOIPに沿った具体的協力を追求することにコミットする。
  • 包摂的で、法の支配、民主的価値、領土の一体性、透明性、人権及び基本的自由の保護、紛争の平和的解決に基づく自由で開かれたインド太平洋を維持することの重要性を強調し、ASEAN及び他の諸国と協力する意図を強調。
  • 質の高いインフラ投資に関する G20原則と整合的な質の高いインフラ開発や事業を通じて地域の連結性を改善。

【中国】

  • 中国に対して、主要経済国として、ルールに基づく国際秩序への建設的な参画を促す。
  • 中国に対して、人権及び基本的自由を尊重するよう求める。新疆及びチベットにおける人権侵害について引き続き深く懸念。利用できる国内的手段を通じて強制労働の事例に取り組むことの重要性に合意。
  • 香港の選挙制度の民主的要素を損なう決定に引き続き重大な懸念を表明。
  • 貿易、投資、開発金融に関するものを含め、自由で公正な経済システムを損なう慣行に対して一致して懸念を表明。
  • 恣意的で強制的な経済政策・慣行に直面する中で、世界経済の強靱性を促進するために共に取り組む。中国に対して、自らの国際的な経済的役割に相応する義務・責任を担い、果たすことを求める。
  • WHOの諸フォーラム及び世界保健総会への台湾の意義ある参加を支持。

【北朝鮮】

  • 北朝鮮における報告されている人権侵害への重大な懸念を表明。北朝鮮に対して、人権を尊重し、全ての関連の国連機関と協力し、国連北朝鮮人権状況特別報告者によるアクセスを許可し、拉致問題を即時に解決するよう求める。
  • 北朝鮮の危険な人道状況は、自らの人々の福祉よりも、違法な大量破壊兵器及び弾道ミサイル計画を優先する北朝鮮の体制による選択の結果であり、これを引き続き深く懸念。
  • 全ての北朝鮮の大量破壊兵器及び弾道ミサイル計画のCVIDという目標に引き続きコミット。
  • 瀬取りや海外労働者の継続した利用等の北朝鮮の制裁回避の戦術に対抗することにコミット。全ての国に対して関連する国連安保理決議の完全な履行を求める。
  • 朝鮮半島における緊張の平和的解決を支持し、北朝鮮に対し、南北対話の再開を求める。

【ミャンマー】

  • クーデターを最も強い言葉で非難。国軍に対して、直ちに緊急事態を解除し、民主的に選出された政府の権力を回復し、アウン・サン・スー・チー国家最高顧問等を含む拘束された人々を解放するよう求める。治安部隊による暴力を非難。
  • NUG(国民統一政府)、不服従運動と並び、CRPH(連邦議会代表委員会)及びその他民主派指導者の取組を含め、包摂的な民主主義に向け取り組む人々との結束を強調。
  • ASEANによるリーダーズ・ミーティングの開催及び5つのコンセンサスを歓迎。ASEANの取組を建設的に支持していくことにコミットし、コンセンサスの可能な限り早期の実施を求める。国連事務総長特使の対話努力を支持。
  • クーデター以降のミャンマーの人権・人道状況の悪化を深く懸念。ロヒンギャや他の少数派を含む支援を必要とする全ての人々が人道支援へのアクセスを有することの重要性を強調。
  • 国軍が方針を転換しない場合に更なる措置をとる用意があることを強調。

【東シナ海・南シナ海】

  • 東シナ海・南シナ海及びその周辺の情勢を引き続き深刻に懸念。
  • 台湾海峡の平和と安定の重要性を強調し、両岸問題の平和的解決を促す。
  • 緊張を高め、ルールに基づく秩序を損いかねない一方的行動に対する強い反対を強調し、地域において軍事化、強制、威嚇が報告されていることを深刻に懸念。

【開かれた社会】

  • メディアの自由の擁護にコミット。ジャーナリストに対する脅迫、嫌がらせ及び暴力を非難。
  • 全ての人の宗教又は信仰の自由の促進にコミット。
  • 外国の活動から民主的なシステムを守るための共同の取組である「即応メカニズム」へのコミットメントを再確認。
  • 二国間関係における恣意的拘束に対するパートナーシップ行動計画を歓迎。

【ワクチン・保健】

  • 新型コロナに関し、ワクチン・治療・診断への公平なアクセス確保を支持。「(ワクチン・治療・診断に関する)公平なアクセス及び協働ステートメント」にコミット。
  • 6月に日本がGaviと共催するCOVAXワクチン・サミットに期待を表明。同サミットでのプレッジを含め、各国によるCOVAXへの資金的支援を促す。
  • 世界的な健康安全保障や低・低中所得国の公衆衛生能力の強化に向けて協力。保健分野の資金確保の重要性に留意。
  • クルーズ船を含む海上・航空の国際的な渡航に関する新たな公衆衛生ガイダンス策定を促す。

【女子教育/ジェンダー】

  • 2026年までに低・低中所得国において以下の目標達成に努めるとする「女子教育に関する宣言」を承認
    目標:4,000万人の女子の就学、2,000万人の女子が10才又は初等教育修了までに読解力向上
  • 教育への資金的・技術的資源の動員にコミット。
  • 開発金融機関(DFI)等による今後2年間(2021-2022年)における途上国のジェンダー平等に資する150億ドルの投資目標(2Xチャレンジ第2フェーズ)を歓迎。

【飢餓防止・人道危機】

  • 紛争、気候変動、新型コロナ等の影響によって深刻化する飢餓などの人道危機に対し、G7としてのコミットメントを示す「G7飢餓防止及び人道危機に関するコンパクト」を承認。

【気候変動(適応・強靱性)】

  • 先進国による合同での年間1,000億ドル気候資金動員目標の2025年までの継続のコミットメント、及び緩和と適応の均衡達成を目指すことを再確認。
G7/G8へ戻る