海上の安全保障

令和3年9月17日
(写真)オンラインのモニター画面

1 概要

  • (1)9月15日、アジア海賊対策地域協力協定(ReCAAP)情報共有センター(ISC)は、全締約国(日本を含む21か国)及びインドネシア、マレーシアの海上法執行機関等職員を対象として、4回目となる能力構築エグゼクティブ・プログラムの研修をオンライン形式で実施しました。
  • (2)本研修では、ReCAAP・ISC事務局からのアジアの海域における事案の発生状況についての説明に続き、我が国のほかシンガポール、ドイツ、米国が各国の海賊・海上武装強盗対策等の取組について説明を行いました。我が国からは、倭島岳彦外務省宇宙・海洋安全保障政策室長が「自由で開かれたインド太平洋」の概念及びその具体的例として海賊対処活動や関係国の海上法執行能力向上支援などの我が国の取組について説明したほか、海上保安庁が国際協力分野における取組について説明を行いました。

2 評価

  • (1)本研修においては、8月にReCAAPに加入したドイツが初めて参加したほか、各国からベストプラクティスが共有され、参加国の海賊対処関連の知識向上に資するものとなりました。
  • (2)また、自由で開かれたインド太平洋、海における法の支配、ReCAAP・ISC及び東南アジア諸国の各国海上法執行機関等への支援の取組、ソマリア沖・アデン湾における海賊対処活動、さらに海上保安庁において諸外国の海上保安能力向上支援にあたる専従部門であるモバイルコーポレーションチームの取組等、我が国の海洋安全保障分野における取組・考え方を研修参加者に共有し、理解を深めてもらうよい機会となりました。
  • (3)今回の研修プログラムが、参加各国の海上法執行分野の知見の向上及び能力向上に資するとともに、今後の実務協力等を通じた地域の連携・協力関係の更なる強化につながることが期待されます。

(参考)アジア海賊対策地域協力協定(ReCAAP)

(1)経緯

 2001年11月、小泉総理(当時)がアジアの海賊問題に有効に対処すべく地域協力促進のための法的枠組み作成を提案。我が国主導の下、本協定の作成交渉が開始され、2004年11月に採択。2006年9月発効。

(2)協定締結状況(締約国:21か国)

 日本、シンガポール、ラオス、タイ、フィリピン、ミャンマー、韓国、カンボジア、ベトナム、インド、スリランカ、中国、ブルネイ、バングラデシュ、ノルウェー、オランダ、デンマーク、英国、オーストラリア、米国、ドイツ

(3)協定骨子

  • ア 情報共有センター(ISC:Information Sharing Centre)をシンガポールに設立(2006年11月)。
  • イ ISCを通じた情報共有及び協力体制(容疑者、被害者及び被害船舶の発見、容疑者の逮捕、容疑船舶の拿捕、被害者の救助等の要請等)の構築。
  • ウ ISCを経由しない締約国同士の二国間協力の促進(犯罪人引渡し及び法律上の相互援助の円滑化、並びに能力の開発等)。

(4)我が国の関与

 我が国は、現職の黒木事務局長(3代目)を含む歴代の事務局長を派遣。また、ISC設置国であるシンガポールに次ぐ第2の拠出国として、ISCによる能力構築セミナーの開催等を財政的に支援。


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