日本の国際テロ対策協力

平成27年2月23日
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1.会合概要

  • (1)2月19日,中山外務副大臣は,米国・ワシントンDCにおいてケリー米国務長官主催の下で開催された「暴力的過激主義に関する閣僚級会合」に出席した。
  • (2)今回の会合には,英(メイ内相),加(ブレイニー公共安全相),仏(カズヌーヴ内相),EU(モゲリーニ上級代表)等G7やヨルダン(ジュデ外相),国連(潘事務総長)を含む多数の国及び国際機関の外相・内相及び幹部他が参加し,テロリストのリクルート活動や過激化問題に係る今後の課題や暴力的過激主義に対する国内及び国際的な取組・支援等についての議論が行われた。

2.中山副大臣発言

 中山副大臣は,19日午前のセッション1「暴力的過激主義問題の現状及び対応策」において,邦人殺害テロ事件等ISILへの非難,同事件に関する各国の協力への謝意を表明し,国内における外国人コミュニティへの働きかけに係る取組を紹介すると共に,17日岸田外務大臣より発表された同事件を受けた今後の外交面での3つの包括的取組((1)テロ対策の強化(約1,550万ドルの中東・アフリカでのテロ対処能力向上支援等),(2)中東の安定と繁栄に向けた外交の強化,(3)過激主義を生み出さない社会の構築支援(失業対策・格差是正への取組,教育支援,人的交流の拡充,穏健主義の促進に向けたASEANとの連携等)を改めて表明した。

3.各国・機関からの主な発言

  • (1)各国・機関の閣僚等は,若者に対する教育,過激主義を生み出す社会的・経済的要因の根源の撲滅,テロ組織の言説に対抗するためのメッセージの効果的な発信,宗教・文化間対話の促進,暴力的過激主義者の社会復帰支援,家族やコミュニティとの信頼関係の構築,基本的人権の尊重,包括的な取組みの推進等の重要性を強調した。
  • (2)オバマ米大統領は,テロ組織との闘いに確固不動の決意で臨むこと,醜い嘘や宗教の教義の悪用によるテロの正当化に対する明確な拒絶と反論,政治的・経済的な不平の解消,宗教や文化の多様性を寛容する社会の構築の重要性を強調した。そして,各国の協力を呼びかけた。
  • (3)ケリー米国務長官は,信頼できる宗教指導者等に対し,テロ組織の発信する嘘に積極的に反論するための宗教指導者等へのサポートを呼びかけつつ,暴力的過激主義対策に係る取組や協力の継続を求める旨発言した。
  • (4)潘国連事務総長は,ISILやボコ・ハラムのような新世代のテロ組織の誕生は,国際平和と安全に対する深刻な脅威であり,引き続き,テロ組織を壊滅するという各国の決意の堅持を呼びかけた。

4.その他

 中山副大臣は,18日のケリー米国務長官主催レセプションや19日の会合のマージンにおいて,ケリー米国務長官,潘基文国連事務総長,ジュデ・ヨルダン外相,ブランディス豪法務大臣,フェルナンデス・スペイン内務大臣等の各国の代表と立ち話を行いました。


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