平和構築

令和6年8月16日
エチオピア派遣における研修員の活動の様子
ウガンダ派遣における研修員の活動の様子

 外務省の平和構築・開発におけるグローバル人材育成事業の一環として、平和構築・開発分野の国際機関でキャリア形成を目指す日本人を対象にプライマリー・コースを開講します。

 令和6年度のプライマリー・コースは、国内研修(令和7年(2025年)1月26日~2月22日の4週間)の後、国際機関現地事務所への国連ボランティアとしての派遣(1年間)を受けることができます。今年度から外務省の委託を受けた広島大学が、国連訓練調査研究所(UNITAR)及び国連ボランティア計画(UNV)と連携し、研修を行います。詳しい内容はこちら別ウィンドウで開くから御覧ください。令和6年8月20日及び9月2日に説明会も実施しますので、御関心のある方はこちら別ウィンドウで開くからお申し込みください。

プライマリー・コースの特色

半数以上の修了生が国際機関で勤務

 平成19年度から令和3年度までの15年間で215名がプライマリー・コースを修了し、半数以上の113名が国際機関で勤務しています。

「プライマリー・コース日本人修了生の現在の職業」の表。 国連・国際機関(注2):113名、政府機関:20名、JICA:13名、NGO・NPO:10名、大学(院)勤務、研究所シンクタンクなど:10名、民間企業:12名、大学生:5名、その他(注3):9名。(注1)平成19年度から令和3年度までの終了生192名のデータ。過去1年以上確認の取れない23名の方々は含んでいません。(注2)JPOとNUVを含めています。JPO(ジュニア・プロフェッショナル・オフィサー)とは、日本政府が派遣にかかる経費を負担することにより、将来的に国際機関で正規職員として勤務することを志望する岩手日本人が、一定期間(原則2年間)各国際機関で職員として勤務し、正規職員になるために必要な知識・経験を積む機会を得る制度です。(注3)「その他」には、育児等のキャリア上の理由による活動に従事している方や上記項目以外に従事されている方が該当します。

P5、P4レベルの国連職員17名輩出

 プライマリー・コースの国内研修・海外派遣後に国連でのキャリアを継続し、管理職に相当するP5、P4レベルで17名の修了生が活躍しています。キャリア構築支援としてコース修了後のフォローアップやネットワーク構築等のサポートもあります。

「プライマリー・コース修了生の国連・国際機関における職階」の表。 P5:2名、P4:15名、P3:39名、P2:6名、JPO:24名、UNV:7名、コンサルタント:10名、ランク不明:10名。

約4週間のキャリアアップのための講習と1年間の実践的な国連ボランティアとしての派遣

 プライマリー・コースでは、約4週間という短期集中で、優秀な講師陣によるキャリアアップのための国内研修を受講でき、その後、国連ボランティアとして開発途上国に所在する国際機関事務所において1年間の勤務を経験することにより、将来の国連職員としての基礎を育成します。

コース内容について(広島大学より)

 国際機関で働くことはやりがいがあると同時に難しいことです。国際機関において着任初日から効果的に働くためには、スキルと自信を身につけることが重要です。今年度から外務省の委託を受け、本事業を実施する広島大学の研修プログラムは、実践的な知識、効果的な業務スキル、キャリア開発の3つをバランスよく提供するように設計されています。

 研修の各週は「5つのP」、すなわち「人(People)」、「平和(Peace)」、「地球(Planet)」、「繁栄(Prosperity)」、「パートナーシップ(Partnership)」のいずれかに焦点を当てます。その目的は、国連の活動の指針となる原則や枠組を幅広く理解し、それらが現場のプロジェクトでどのように組み合わされているかを学ぶことです。今年のコースには、2023年に発表された「国連2.0」政策文書で述べられた、組織変革の新たな推進力であるデータ、イノベーション、デジタル、先見性、行動科学に関するモジュールも含まれます。研修生は、また、プログラムやプロジェクトの設計などの実践的なスキルや、コミュニケーション、交渉、チームワークなどのソフトスキルも学びます。最後に、本コースでは、自分のキャリア計画をどのように作るかなど、研修生のキャリアパス設計の着手をお手伝いします。

 広島大学は、平和維持や開発支援の分野において日本及び国際機関で働く人材の教育・育成に長年携わってきました。今回の研修プログラムでは、国連の専門訓練調査機関であるUNITAR、UNV、現職・元職の国連職員や専門家と緊密に連携しています。平和構築や開発に携わることを志す一人でも多くの皆さんが、これらの分野で働くことへの理解を深め、さらに現場で経験を積むことができるまたとないこの機会を活用すべく、応募してくださることをお待ちしています。

外務省国際平和協力室より

 「平和構築・開発におけるグローバル人材育成事業」は17年の歴史を有し、これまでに参加した多くの方々が、今、世界で活躍しています。今年度からは広島大学の協力を得て、充実したコース内容を展開していきます。プライマリー・コースでは、素晴らしい講師や仲間に支えられながら、平和構築・開発のフィールドで成果を生み出すためのノウハウを得ることができます。さらに、国連ボランティアとしての海外研修を通じて平和構築と開発の現場を経験することもできます。平和構築や開発は国際社会の責任ある一員たる日本にとって重要な課題です。より良い世界に向けて貢献したいとお考えの方はぜひ本事業への参加を検討ください。

お問い合わせ先

 広島大学国際室国際部留学交流グループ
 Global Peace and Development Career Network(GPAD)
 E-mail:gpad(アット)office.hiroshima-u.ac.jp
 ((アット)は半角@に置き換えてください。)

 なお、プライマリー・コースに関する照会とは別に、事業目的や予算等に関するお問い合わせ先は以下にお問い合わせください。
 外務省 総合外交政策局 国際平和協力室
 電話: 03-5501-8000


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