日本の安全保障と国際社会の平和と安定
「緊急事態下におけるジェンダー暴力からの保護に関する行動要請」会合(概要)
平成26年9月22日


- 岸田外務大臣は,9月22日(月曜日)午前12:00(ニューヨーク時間)から約45分間,ケリー米国務長官が主催した「緊急事態下におけるジェンダー暴力からの保護に関する行動要請」会合に出席しました。
- 今次会合は,昨年11月に英国とスウェーデンがロンドンにて共催した「緊急事態時の女性・女児に対する暴力」に関する会議に続く第2回目の会合で,「紛争下の性的暴力防止」に係るG8や国際社会の政治的コミットメントを,具体的支援につなげることを目的としつつ,対象範囲を自然災害時も含めた緊急時に広げているものです。
- 岸田大臣は,本年9月12~14日に日本で開催されたWAW! Tokyo 2014(「女性が輝く社会に向けた国際シンポジウム」)において,人間の安全保障とジェンダーや,紛争予防や平和構築における女性の果たす役割について活発な議論が行われ,自身が議長として「WAW!ToDo」という12の提案を発出したことを紹介し,参加した各国から高い評価をいただきました。また,岸田大臣は,東日本大震災の教訓を踏まえた「自然災害とジェンダー」決議を国連に2度提出したこと,来年3月には仙台にて第3回国連防災世界会議を主催する予定であること等も強調しました。
- 我が国は,これまでも国際社会の紛争及び自然災害等の緊急時における女性の保護分野について支援を行ってきましたが,今後も引き続き積極的に関与していく所存です。
【参考】我が国の関連支援
- WAW! Tokyo 2014(「女性が輝く社会に向けた国際シンポジウム」)を9月12日から14日にかけて東京にて開催。クリスティーヌ・ラガルド国際通貨基金(IMF)専務理事をはじめ世界各国及び日本各地から女性分野で活躍するトップリーダーが出席し,日本及び世界における女性の活躍促進のための取組について議論が行われ,「WAW! To Do」と呼ばれる12の提案がまとめられた。
- 安倍総理は,昨年の国連総会一般討論演説にて,「女性が輝く社会」の実現に向け,2013~2015年の3年間で30億ドルを超えるODAを実施する旨のコミットメントを表明し,既に18.6億ドルを超える支援を実施。
- 中でも,3本柱の一つである「平和と安全保障分野における女性の参画と保護」の柱の下,性的暴力の被害者対応や予防等に関し,我が国は,UNHCRやIOM等の国際機関を通じ,シリア,アフガニスタン,ソマリア,マリ等からの難民や避難民に対する支援を積極的に実施。
- また,ジャパン・プラットフォームを通じ,南スーダンにおいて,日本紛争予防センター(JCCP)がジェンダー暴力被害者対応や予防の支援を実施するなど,草の根レベルでも支援を実施。
- 我が国は,女性・平和・安全保障に関する「行動計画」を,市民社会との緊密な協議を踏まえ,今年末までに策定予定。策定でき次第,同計画を履行,市民社会と共にモニタリング予定。
- 国連防災世界会議について
(1)国連防災世界会議は,国際的な防災戦略について議論する国連主催の会議。
(2)第1回国連防災世界会議(1994年,横浜),第2回国連防災世界会議(2005年,兵庫)ともに我が国がホストした。
(3)第3回国連防災世界会議は,できるだけハイレベル(the highest possible level)とし,2015年3月14日~18日に仙台市で開催することを国連総会決議(A/RES/68/211)にて決定。
(4)第2回国連防災世界会議では,2015年までの10年間の国際的な取組指針である「兵庫行動枠組2005-2015(HFA)」が策定された。第3回国連防災世界会議では,その後継枠組(HFA2)が策定される予定。