女性

「女性と防災」

令和4年12月5日

参加者(随時更新)

分科会10:女性と防災
  • 水鳥 真美 国連事務総長特別代表(防災担当)兼国連防災機関長(モデレーター)
  • アワ・マリ-・コル・セック セネガル大統領付国務大臣/採取産業透明性イニシアティブ・セネガル国家委員長/世界エイズ・結核・マラリア対策基金理事(オンライン)
  • デボラ・コミニ UNICEF 東アジア・太平洋地域事務所代表
  • 池田 恵子 静岡大学副学長/教育学部教授
  • 石山 純恵 株式会社クリフ代表取締役
  • 吉村 美栄子 山形県知事
  • 岡部 真林 桜の聖母短期大学 学生会会長(ラポラトゥール)
  • 鈴木 二三子 福島県国際女性教育振興会相談役(リソースパーソン)

現状・課題

 近年、世界的に自然災害のリスクが増加しています。UNDRRのHuman Cost Disasterの報告によれば、1980年~1999年の20年と比較し、2000年~2019年の20年では世界の大規模自然災害の発生件数は約1.7倍に増加しているというデータもあります(注1)。
 女性は、災害発生時・避難生活時、復旧・復興時と災害の様々な局面でより困難な状況に置かれがちです。災害発生時に乳幼児や高齢者等を保護しながら逃げるため避難が遅れる傾向があること等から、災害時における男性の死者数よりも女性の死者数が多くなることが知られています(注2)。途上国においては、女性の識字率が低く避難情報が伝わらない、宗教上の理由で男性の多い避難所に女性が入れない等の事情により、多くの死亡者が出ています(注3)。
 避難生活においては、更衣室や授乳室等のプライバシー確保が不十分であることや、生理用品や下着、授乳用品等の物資面のニーズが満たされない等の困難がある他、避難所での清掃や炊き出し等の無償ケア役割が女性に偏るなどの課題が指摘されています。避難所内でのセクシュアルハラスメントや性暴力の被害に遭うリスクが高まる等、女性への心身の負担がより大きくなる事例が指摘されてきています(注4)。また、復旧・復興期においても、女性の方が復職しづらい状況が続くといった、長期にわたる負の影響があることも分かってきました(注5)。このような災害時に女性が受ける影響は、平常時のジェンダー課題が顕在化していると言えます。固定的な性別役割分担意識を平常時からなくしていくための取組がかかせません。
 こうした状況を改善するため、災害対応や防災の政策決定するプロセスへの女性の参画推進は重要な課題となっています。2015年の第3回国連防災世界会議で採択された「仙台防災枠組2015-2030」では、ジェンダーの視点に立った災害リスク削減を実現するため、政策立案・計画・実施のプロセスへの女性の参画を推進する必要性が再認識されました。国際女性会議WAW!2022では、誰もが取り残されない防災の実現のためにどのように女性の視点を生かしていくべきかを、東日本大震災等の経験や、各国・各地域の経験を踏まえつつ議論していきます。
 女性と防災を巡る現状と課題については、こちら(PDF)別ウィンドウで開くも参照ください。

論点

  • 防災分野の意思決定プロセスへの女性参画が進まない原因となっている障壁は何か。またそれを乗り越えた事例はどのようなものか。女性参画が進んでいない地域に他国や国際機関からの援助が入る場合、ジェンダーの観点から留意すべき点は何か。
  • 自治体職員、消防・警察、軍(日本においては自衛隊)等の女性職員が災害対応に携わるために、どのような支援を実施しているか。また、防災分野に携わる女性職員の参画が進まない原因となっている障壁は何か。どのような対応策や好事例があるか。国や地域の政策、組織全体として後押しできることはどのようなものがあるか。
  • 被災者間、また被災者と支援者の間等様々な関係性の中で生じうるセクシュアルハラスメント・性暴力さらには性犯罪の被害をなくすため、強化すべき対策は何か。
  • 復旧・復興期において女性の雇用確保の取り組みを含む生計回復について、どのような好事例があるか。
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